夜の奇襲
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っ! 私は、手をつなぐことを諦めたくない!」
「時間の無駄だ。サーヴァント、アサシン。来い。ランサー。ランサーのマスター」
黒髪の女性、アサシンが身構える。
「葬る!」
アサシンは、弾丸のようなスピードで迫ってくる。
「! 響ちゃん!」
アサシンのダークカブトに匹敵する速度に、反応が遅れた。
ウィザードは響を突き飛ばし、その体にまともにアサシンの刀を受けた。
「うっ!」
サファイアのプロテクターを貫通し、生身の体に傷が入る。リキッドの効果が切れた体を地面に放り投げられた。
「っ……?」
起き上がった瞬間、ウィザードは体を締め付ける圧迫感に押された。
「何だこれ?」
「終わりだ」
アサシンは吐き捨てる。
その瞬間、ウィザードの全身に黒い文字模様が走り出した。
それは、彼女によってつけられた胸の刀傷からのものだった。
アサシンは静かに告げる。
「村雨は一撃必殺。傷を付けられたものは死ぬ」
「なんだよそれ……反則だろ……!」
ウィザードは、ひざを折った。呪詛がじりじりと体を駆け巡っていく。
首に、心臓に達し、もうだめだと目を閉じたその時。
『ゴー! ド ド ド ド ドルフィン』
ウィザードの体に、紫の光が降り注ぐ。
光の粒子が体に蓄積されればされるほど、ウィザードの苦しみも和らいでいった。
「何?」
アサシンは怪訝な顔を見せる。
毒素が抜けた。
立ち上がり、両手を見下ろしたウィザードは、間違いなく生きていることを確認するように全身に触れる。
「助かった……のか?」
「ああ。助かったぜ」
突如として、背後から駆けられる新たな声。
振り向けばそこには、金色の人影がいた。
ライオンを人型にしたような人物。緑の瞳と黒い下地のライダースーツの他は、金色のアーマーを付けていた。
「くぅ〜! 苦しんでいるライバルを助けるとか、俺って良い奴〜!」
金色のライオンは両手を腰に手を当てて感激した声を上げている。
彼はそのまま、響へ手を振る。
「おい! 響! こんなところで何してんだ? 変身までして」
「コウスケさん!」
「コウスケって……」
金色のライオンの姿を見る。以前あった行き倒れの大学生の姿を、どうしても重ねることはできない。
それを察したのか、コウスケらしき金色のライオンは、両手をパンパンと叩いた。
「安心しろ。この姿はビーストっていうんだ。そのまんま、ビーストって呼んでくれよハルト」
「俺の正体は知っているのかよ……」
「声一回聞いたんだから分かんだろうが」
「いや、覚えてないんだけど……」
「かぁーっ! お前も結構冷たいねえ!」
コ
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