大きな罪
存在
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なのに、存在が無い。」
そういうことになる。
「あれ。」
写真の裏に何か、小さく書かれている。私はそれを手に取り、書かれていたことを読んだ。
「三月十五日」
最初は、撮影された日と思ったが、撮影された日とは全く違った。ということは、これは一体何を表しているのだろうか。
「何で、謎が謎を呼ぶかな。」
それに、姿無き犯罪者のこともあるし。
「ああ。もうわけがわからない。」
彼女はベットに倒れこんだ。
「ねえ、里奈。里奈なら、どうしたのかな。」
二度と、会えるはずがないのに。
「会いたいよ。」
今は亡き親友の橋本里奈。彼女は物静かな性格だった。いつも、本を抱えていた。そんな彼女の夢は、小説に出てくる探偵みたいに人を助けたい。
「人を助けたいか。」
利他の叶えられなかった夢を、今度は私が叶えてあげられたらな。
「里奈。」
写真の中では、輝くような笑顔で写っていた。
玲は、その日はそのまま寝てしまった。親友の出来事は、彼女の心に未だに深い傷跡を残していた。
「そろそろ、次の課題を出そうか。」
画面を見つめる少年の隣には、四人の幼い子供の集合写真があった。
「柏木玲。君に、僕の存在が解けるかな。」
一人の笑い声が、部屋の中に響いていた。
朝。目を覚ました玲は、慌てていた。昨日は、全く依頼をやっていなかったからでもあるのだが、違う理由もある。
朝食をそこそこに、家を飛び出していった。
「時間に遅れる。」
急いで自転車をこいで、仕事場と呼んでいるもう一つの家に向かった。
「もう来てるかも。」
今日も宏には休んでもらっていた。なぜなら、彼にも秘密にしなければいけないことだから。
扉の前に立っている人影を見つけた。
「遅くなって、ごめんなさい。」
その人影は振り向いた。菻に柚、そして幸の三人だ。私のわがままで集まってもらったのだ。
「とりあえず、入ろうか。」
私は扉を開けて、三人を招き入れた。
「いきなり呼んでごめん。」
三人が首を横に振った。
「今日、みんなに集まってもらったのは、少し助けがほしくて。」
「どうしたんですか。何かあったんですか。」「まあね。」
私はこれまでの経緯を、みんなに話した。
「ということなんだけど。」
「確かに、それは変だよね。」
菻はそう言って、何かを考え始めた。
「まるで、透明人間のようです。」
ゆずは、なぜか興味深々だ。
「そのことか。」
幸はもう聞いていたので。反応は薄かった。
それから私は色々話を聞いたりした。だけど、この謎を解くのはやはり難しかったのだ。
「今日はありがとう。助かったよ。」
三人はそれぞれ、家に帰った。
「やっぱり、むずかしいな。」
机の前に座って、溜まった
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