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ペルソナ3 困惑の鏡像(彼が私で・・・)
中編
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の望月君も情けない表情で退散し、ついでに友近君も沈黙した。
ありがたいことに、アイギスのおかげでなんとかその場はうやむやになった。私はとりあえず胸をなでおろした。

「やきそばパン、売り切れだったよ〜。」
昼休みの屋上、少し遅れて来た順平が嘆くように言う。
屋上に2年生の巌戸台寮メンバーが集まっていた。何を思ったのか、突然、順平が招集をかけてきたのだ。
今日は、いい天気で風もなく、この季節とは思えないくらいに暖かい。海を見下ろす景色も一段と素晴らしい。
もうすぐ寒くなってくるし、こうしてのんびり屋上ですごせるのもあと少しだろう。
そんなこともあって、今日は屋上で昼食を取りながら話すことになった。
「順平が遅いんだよ。私は真っ先に購買に走ったから2つ買えたよ〜。」
私はニカッと笑って、自慢げにパンを見せびらかした。
「お前、2つも食うのかよ。そうやって買い占める奴がいるから、俺にまでまわってこないんだ。それだけが楽しみで学校に来てるのに・・・。」
順平が大げさに喚いた。
「そんなに、やきそばパン欲しかったの?。仕方ないなあ。じゃあ、1個あげるよ。」
私は片方を順平に差し出した。
「え・・・いいの? おお。やきそばパンの君!」
順平はうやうやしく焼きそばパンを受け取ると、ラップをはがしておもむろにかぶりついた。そして芝居がかった調子で片膝をつく。
「うまい! うますぎる!! それも当然。やきそばパンだ!」
「なあにそれ?」風花が笑いながら訊いた。
「まあ、やきそばパンを称える儀式みたいなもんよ。」
順平が嬉しそうの残りをほおばりながら答える。
「順平のいつもの馬鹿でしょ。そんなのいちいち聞いてもしかたないって。」
ゆかり が いつも通り冷たく切り捨てた。
「それで、なんだってみんなを集めたわけ?」
私も焼きそばパンを食べ終えると、剛健美茶を飲みながら訊いた。
「何って、そりゃあ・・・お前の話だろう。結局、どうなってんのさ。」
順平が私に向き直って言う。
「私? 何が。」
私は新たにサンドウィッチをつまみながら聞き返した。
「何がじゃねーだろ。自覚ねーのかよ。そのテンション。明らかにキャラ違うだろ。鳥海先生までびびってたぞ。」
(そういえば、授業中、指されて発表した時に変な顔してたな。)
「なんでだろ。別に普通だと思うんだけどなー。普段、そんなにテンション低い?」
私は困って周りを見回した。
別に騒いだつもりもないし、ごく普通にみんなと接しているつもりなのに、こんなに問題視されるとは思わなかった。
『彼』って、いったい普段どんななんだろ。
どうせ人間関係はほとんど同じ・・・とか軽く考えてたけど、難しいもんだなあ。
「お前のキャッチフレーズと言えば、無口・無表情・不愛想で、口を開けば『どうでもい
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