第4楽章〜フロンティア、浮上〜
第34節「デスティニーアーク」
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「もしも、無駄に散った命が沢山あって、その責任を自分に感じていたとしたら……あたしも同じ事をすると思う。自分の過ちにケジメを付けるために……」
「クリスちゃん……」
クリスを見つめる純。その時、藤尭が報告する。
「フロンティアへの接近は、もう間もなくですッ!」
モニターを見る。
フロンティアは遂に目の前に……。
そして同じ頃、医務室では──
「っ……助かった……のか……?」
3人目の伴装者、最後の希望が目を覚ましていた。
ff
フロンティア中枢、ブリッジルームへとやって来たウェルとマリア。
「ふふん……」
「それは……?」
ウェルが取り出した無針注射器を見て、マリアは訝しむ。
「LiNKERですよ。聖遺物を取り込む、ネフィリムの細胞サンプルから精製したLiNKERです……ッ!」
フロンティア浮上の目処が立った昨夜から精製を始めていた特注のLiNKERを、自分の左腕に注入するウェル博士。
注入が終わった次の瞬間、ウェル博士の左腕が変貌する。
左腕の肘から先は焦茶に染まり、筋肉が膨張する。
肥大化したその左腕には、ネフィリムと同じ赤い模様が、そして手の甲に沿って三本の棘が生えていた。
「ッ!?」
「くくく……ッ!」
ウェルは満足気に異形の左手を握り、開いて感触を確かめると、ジェネレータールームにあったものとよく似たコンソールらしき物に触れる。
すると、触れた箇所から真っ赤な蔓のような物が伸び、フロンティアを起動させた。
「くくく……早く動かしたいなあ……ちょっとくらい動かしてもいいと思いませんか? ねえ、マリア──」
「──ッ」
「ウヘヘ……」
モニターに映し出された米国艦隊を見て、ウェルはほくそ笑んだ。
その頃、フロンティアのエネルギー制御室。
ナスターシャ教授は、フロンティアの端末内に存在するデータの中から、あるものを探していた。
(フロンティアが先史文明期に飛来したカストディアンの遺産ならば、それは異端技術の集積体。月の落下に対抗する手段もきっと……)
「ッ! これは……ッ!?」
『どうやら、のっぴきならない状況のようですよ』
ブリッジのウェルからの通信と共に映し出された米国艦隊。
フロンティアの制圧を命じられた第二陣は、果敢にも……或いは無謀にもフロンティアへと向かって進んでいる。
『一つに繋がることでフロンティアのエネルギー状況が伝わってくる。これだけあれば十分に熱り立つゥ……』
「早すぎます! ドクター!」
『さあ! 行けぇぇぇッ!』
フロンティアの中心部、一番高い石塔のような場所から、3本の光が放たれる。
3本の光は、螺旋を描きな
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