暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第4楽章〜フロンティア、浮上〜
第34節「デスティニーアーク」
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は、その為なのですから」

フロンティアの中心、外から見る限りは石造りの巨大遺跡にしか見えない巨大構造物を見上げながら、翼は純を不意打ちした瞬間を思い出す。



『仲間を裏切って、あたしたちにつくと言うのデスか?』
『これが前金替わりだ』

いきなり現れ、仲間であるはずの純を一撃で沈ませた翼に、切歌は困惑する。

『しかしデスね……』
『私にこの話を持ち掛けたのは、ウェル博士だ。無論、ある条件をつけてな。私としても、無駄に散る命は一つでも少なくしたい。それに……』
『……?』
『いや、何でもない……』

立ち去った直後、クリスが倒れた純を見つけたのは、言うまでもない。



遺跡内部に入るF.I.S.一行。
こちらも石造りにしか見えない通路を、ライトで照らしながら進んでいく。

「信用されないのも無理はない。気に入らなければ鉄火場の最前線で戦う私を後ろから撃てばいい」
「もちろん、そのつもりですよ。ツェルトくんが抜けてしまった分の穴埋めとは言え、あなたは元々、二課の装者なのですからね」

ツェルトは組織を裏切り、調の後を追って投降した。
フロンティア起動直後、ウェル博士からそう知らされたマリアは、顔を曇らせた。

(あのツェルトが……? でも、絶対にないとは言いきれない……。彼は真面目だから、きっと耐えきれなかったのね)

真実は違うのだが、彼が二課と通じていたのは事実だ。
その意味では、マリアの解釈もあながち間違いとは言いきれない。

(でも、これでよかったのかもしれない……。これ以上、あなたの心をすり減らさなくてもいいのだから。私がフィーネではない事を知りながらも黙っててくれたあなたに、これ以上の迷惑はかけられないわ……)

「着きました。ここがジェネレータールームです」

ナスターシャ教授に言われて見上げると、そこは機械類の見当たらない大きな部屋だった。

F.I.S.の面々が立っている通路は一本橋のようになっており、だだっ広い空間の中心部……道の先には、幾何学模様が刻まれた謎の球体と、それを取り囲んで部屋の上下へと延びる螺旋状の結晶構造体が存在するのみだ。

「なんデスか? あれは……」
「フロンティアのジェネレーターですよ。まあ、見ててください」

そう言ってウェル博士が進み出る。
ケースに仕舞っていたネフィリムの心臓を取り出すと、ウェル博士はそれを……。

「ふ……」

その奇妙な装置に押し付ける。

すると、ネフィリムの心臓から蔓のような物が伸び、ジェネレーターが起動した。

球体が光り輝き、黄金の粒子を散らせながらエネルギーが伝わっていく。
結晶構造体はエネルギーをフロンティアに行き渡らせるパイプの役割も担っているらしく、エネルギー
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