暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第4楽章〜フロンティア、浮上〜
第34節「デスティニーアーク」
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いだよね……」

両目から涙を零す未来。
だが、響は屈託のない笑みを浮かべながらこう言った。

「うん、未来のおかげだよ」
「──え……ッ?」
「ありがとう、未来」
「響……?」

訳が分からない、といった顔で困惑する未来。
それを見て翔はただ、笑っていた。

「私が未来を助けたんじゃない。未来が私を助けてくれたんだよッ!」
「小日向、これを見てくれ」

そう言って翔は、自分と響の最新のレントゲン結果を見せる。

「これ……響? こっちは翔くんの?」
「あのギアが放つ輝きには、聖遺物由来の力を分解し、無力化する効果があったの。その結果、二人のギアのみならず、翔くんと響ちゃんの身体を蝕んでいた生弓矢とガングニールの欠片も、除去されたのよ」
「え……?」
「お前の強い想いが、死に向かって疾走する響を救ったんだよ……未来」

クリスはいつになく穏やかな表情で、未来を見つめながらそう言った。

「私が本当に困った時、やっぱり未来は私を助けてくれた。ありがとう」
「私が……響と翔くんを?」
「ああ。小日向は俺達の命の恩人だ。ありがとう」

二人から感謝の言葉をかけられ、未来は涙を拭く。

「ううん……。あの時、わたしを呼び戻してくれたのは響の声だし、落下していくわたしと響を抱えて飛んでくれたのは翔くんだから……」
「つまり、翔と立花さん、小日向さんの友情が呼んだ奇跡……ってことかな?」
「そうともいえるのかも……?」
「わたし達三人で起こした奇跡、かぁ……」
「言い得て妙、かもしれないな」

純からの「奇跡」という言葉に微笑む響と翔。

(でも、それって……)

だが、胸の聖遺物の消失が何を意味しているのか……知らない未来ではない。
響と翔の笑顔を見ながら、彼女は俯いた。

「えへへへ」
「だけど、F.I.S.はついにフロンティアを浮上させたわ。本当の戦いはこれからよ」
「あいつらの企みなんて、あたしら二人で払ってみせるさ。心配すんな」
「二人? そういえば……翼さんは?」

クリスの一言に、周囲を見回す未来。
確かに、翼の姿だけが見当たらない。

翔と響が危機的状況を脱したのだ。一番喜ぶであろう彼女がいないのは不自然だ。

そして、顔を曇らせる響と顔を逸らすクリス。
純は頭に巻かれた包帯を抑え、翔は俯きながら呟いた。

「どうしちまったんだよ……姉さん……」

ff

同じ頃、F.I.S.の一行はフロンティアへ上陸していた。

「このようなものが、海中に眠っていたとは……」
「僕達に協力してくれるなんて、感謝が尽きませんよ」
「世辞はいい。それよりも、あの言葉に嘘はないんだな?」
「ええ。フロンティアとは関係のない生弓矢まで手に入れたの
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