暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第4楽章〜フロンティア、浮上〜
第34節「デスティニーアーク」
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本部の一部屋、そのベッドの縁に、緒川は両腕を手錠で拘束された調を座らせる。

「すみませんが、これは預からせていただきますね」

そう言って緒川は、調のペンダントを没収する。

だが、俯いた調から飛び出した言葉は意外なものだった。

「お願い……皆を止めて……」
「っ!?」
「助けて……」



その頃、発令所では……。

「映像回します!」

モニターに海底から浮上したフロンティアが映し出されていた。

「これがF.I.S.の求めていたフロンティア!?」
「海面に出ているのは、全体から見てごく一部。新天地(フロンティア)と呼ばれるだけのことはありますね……」

現在視認できているのは、あくまでも氷山の一角。

F資料と、計測した海底からのデータを参考にして作成された、フロンティアのほぼ正確な全体想定図がモニターに表示される。

大陸のような形であり、宇宙船でもあるフロンティア。
全長は船首から縦に30000m、横14000m、高さ5000mもの巨大構造物。

未だ多くが海底に沈むその全容に、二課の面々は驚愕する。

その時、警報が鳴り響く。

「新たな米国所属の艦隊が接近しています」
「第二陣か……」

そこへ、斯波田事務次官と九皐の通信が入った。

『ずるる……まさか、アンクル・サムは落下する月を避ける為、フロンティアに移住する腹じゃあるめえな?』
「ええ、どうもそうらしいわ。F.I.S.はそれに納得できなかったからこそ、テロリストの汚名を被る道を選んだみたい」
『自衛隊に手を出すなって言ってきたのはそういうわけか。だが、米軍の装備程度でどうにかなるもんじゃなさそうだが?』
「どう見ても手に余るでしょ? 返り討ちに遭って余計な被害が増えるのがオチよ」

了子は呆れたように溜息を吐き、渋い表情をする。

「我々も急行します」

弦十郎の指示で、ネオ・ノーチラスはフロンティアへと向かって進んでいった。



一方、メディカルルーム。

ベッドの上の未来を見るなり、響は彼女へと抱き着いた。
翔も響と共に、彼女の傍へと駆け寄る。

「未来ッ!」
「小日向ッ!」
「あ……」
「小日向さんの容態は?」
「LiNKERも洗浄。ギア強制装着の後遺症も見られないわ」

友里の言葉に、純はホッと息を吐く。
その頭には白い包帯が巻かれており、クリスに肩を預けている。

「良かった……本当に、良かった……ッ!」
「響、翔くん、その怪我……」
「うん」

響と翔の頬や額に貼られたガーゼを見て、未来は顔を伏せる。
間違いなく、自分がつけた傷だ。響と翔を守るつもりで傷つけてしまった事実に、自分で自分が恨めしい。

「わたしの……わたしのせ
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