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ペルソナ3 困惑の鏡像(彼が私で・・・)
前編
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岳羽』って呼んでるでしょ。
・・・まあ・・・べ、べつに名前で呼んでくれていいんだけどさ。」
ゆかり がもじもじしている。いつも歯切れよくスパッとものを言う彼女らしくない。私は今までこんな素振りの ゆかり を見たことが無かった。
「・・・なんか真っ赤になってるよ・・・? 」
不審に思って聞いてみる。
「だって、恥ずかしいじゃない。そりゃあ、私達、付き合うことになったわけだし・・・名前で呼ばれるの、うれしい気もするけど・・・。」
ゆかり の口からとんでもない言葉が出てきた。
「付き合う・・・私と ゆかり が・・・?」
あっけに取られて、口をぽかんとあけたまま、ゆかり の顔を凝視する。
「何よ〜その反応。お互いに好きだって告白し合ったんだから・・・君は私の彼氏ってことでいいんでしょ。」
ゆかり は少しにらむような目つきをしつつも、甘えるような口調で言ってくる。
「あっ、そういうことか!!・・・ わお!」
私は仰天して声を張り上げた。
「な、なによ。」
その反応に ゆかり も驚いた表情を浮かべる。
(『彼』は ゆかり と、そういう仲なのか。しかも、どうやらつい最近付き合いだしたばかりらしい。)
私は意外な展開にただただ驚いていた。
ゆかり は学校でも人気がある。ちょっとキツいところはあるが、美人だし、明るいし、まじめでやさしい。男子に告白されたことも何度かあるようだが、これまであまり興味を示している風ではなかった。
「そっかー、ゆかり って男に興味ないなーと思ってたけど、こういうのがタイプだったのか。」
私は衝撃の事実に感心して、うんうんとうなずいた。
「な〜にそれ? ・・・ねえ、なんかさっきから変だよ。妙にテンション高いし・・・自分のことも『私』とか言ってるし。それに、しゃべり方がなんだか少しオカマっぽい。」
「ええ〜っ。そうなんだ・・・やっぱそうだよね。」
(元のキャラを知らないから、なりすますのも難しいな。男っぽくするのもよくわかんないし・・・。察するにもっとクールなタイプなのかな。・・・クールってどうすればいいんだろ。)
ちょっと考えて、少し低い声で気障っぽく
「ふっ、悪かったな。機嫌直してくれよ。俺は今日、ちょっと自分を見失ってるのさ。」と言ってみる。
「な・・・何それ。」ゆかり が吹き出した。
「へ・・変・・・キャラが違い過ぎる。」
こらえきれずにとうとう笑いだす。
「あっ・・・やっぱり違うか。うーん。」
私は困って空を見上げた。でもいくら考えてもわかるわけがないのだ。考えるだけ時間の無駄だ。私はすぐにギブアップした。
(わかんないからいいや。素のままでいこう。)
「いや、実はさ。ゆかり が彼女・・・とか意識すると、緊張しちゃってどんな態度を取ったらいいのかわからなくなるんだよ〜。そのうちだん
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