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ペルソナ3 困惑の鏡像(彼が私で・・・)
前編
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にされては困ります。』
という声が聞こえてきた。
「そんなことしません!」
私は思わず赤面して大声で返した。
『と・・・とりあえずそういうことですので・・・ご迷惑をおかけして申し訳ないのですが、よろしくお願いいたします。復旧次第、ご連絡を入れさせていただきます。』
改めて代わったテオが、焦ったような早口でそう言い終えると、電話が切れた。
しばらく電話を耳にあてたまま、私はため息をついた。

ちょっとどきどきしながら座ったままトイレを済ませ、それから制服に着替える。
鏡を見て自分の姿を確認。
(よく見ると、なかなかいい男なんじゃない?)
今日は学校を休んで、部屋で大人しくしていようかとも思った。しかし、いずれ戻れるということであれば、別の世界や男性の目から見る日常にも興味がわいてくる。
人間関係は大体 私と同じだろうから、ぼろを出さないように気を付ければ、なんとかなるだろう。部屋でじっとしているのも性に合わないし、ここはひとつ「異世界探訪」としゃれこんでみようか。
「それじゃあ、行ってみるか。」
まだ時間は早いが、寮を出て学校へ向かうことにした。
『彼』が普段 朝食をどうしているのかわからなかったので、途中、コンビニでおにぎりを買って駅で食べることにした。そしてちょうど食べ終えたタイミングで、ゆかり がホームに上がってくるのが見えた。
「おっはよー。ゆかり!」
つい、いつもの調子で大きく手を振りながら元気よく声をかける。
こちら気づいた ゆかり がギクッとして表情を引きつらせた。
そのまま、その場所に硬直している。
「どうしたの〜。こっちが挨拶してんのに・・・。」
返事を返して来ない ゆかり に歩み寄って問いかけると、
「どうしたの、はこっちだって・・・。なにそのテンション!」と返された。
「えっ、どこかおかしい?」
まだ、朝の挨拶をしただけだけど・・・もうボロが出た?
「いや、・・・別にいいけど・・・その・・・ずいぶんキャラが違うんじゃない?」
ゆかり が不思議そうな顔でこちらをじっと見つめてくる。
「あっ、そう? えーと、いつももっと大人しい感じなのかな?」
ゆかり のその視線が気になりつつ、私は聞いてみた。
「何言ってるの? 自分の事でしょ。」
「いやあ、意外と自分の事ってわかんないもんだよ〜。ゆかり だってそうじゃない?」
「いや・・・その・・・」
ゆかり が妙に赤くなっている。
「どうかしたの?」
「・・・なんで、急に名前呼び?」
「あ・・・えーと、そういうことか!」
今、私は別人に成り代わっているのだった。
女同士じゃないわけだし、さすがに名前の呼び捨てというのはちょっと気安いか・・・。
「な、なんて呼んだらいいのかな。・・・ゆかりっち?」
「順平かっつーの! いつもは『
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