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ペルソナ3 困惑の鏡像(彼が私で・・・)
前編
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・・姉上、痛いです。今、お客様とお話し中で・・・。痛!』
電話の向こうで、何か言い争う声がする。どうもテオが誰か、女性に叱られているようだ。
待つことしばし、テオの声が戻ってきた。
『しっ失礼しました。と・・・とりあえず、何とか復旧を急ぎますので・・・。』
「よろしくね。どれくらいかかりそうかな?」
『そらくそちらの感覚で半日くらいか・・・遅くとも夕方までにはなんとか・・・。』
(・・・ってことは今日は、この格好か。)
ともかくそれまではこの男性の体で過ごすしかないようだ。
しかしまあ、そういうことなら、一時的に男性の姿で過ごしてみるのも一興かもしれない。
「ところで、これ誰なの? 寮にはこんな男子はいないよ。」
『えー、説明が難しいのですが、あなたのいる現実には存在しない方です。そこは本来あなたのいらっしゃる現実とは別の現実でして・・・。その男性はあなたの代わりにあなたと同じ役割を担っている方です。』
なんだか急にSFじみた話になってきた。
「えーと、良くわかんないんだけど・・・つまりここは私がいつもいる世界じゃないってこと?」
『はい。そこはあなたのいない世界です。』
「【私だけがいない世界】ってわけね・・・で、代わりにこの男の子がいるのか。パラレルワールド?」
『さすがです。ご理解が早い。その方は男性ですが、あなたと同じ役割を担う同位存在で、やはりベルベットルームのお客人でもあります。』
「そっかー。私の他にもベルベットルーム利用者っていたんだね。」
『はい。その方は私の姉が担当しております。』
私がこの体に入ってしまったということは、この『彼』はどこに行ったんだろう?
「えーと、ひょっとすると、代わりにこの人が私の体に入ってるの? ・・・それはなんだかいやだなあ。」
さすがに自分の体に知らない男の人が入っているというのは、いい気持ちはしない。まあ、お互い様なんだけど・・・。
『その点はご安心を。その方は今、こちらにいらっしゃいます。』
「へ?・・・ベルベットルームに?」
『はい。体に帰れなくなってしまって、こちらで待機していただいております。』
「え・・・じゃあ、私の体はどうなってるの?」
魂の抜けた状態の自分の体が気になった。
『寝ています。』
「・・・寝てるんだ。」
ああ、そりゃそうですよねー。
「じゃあ、まあいいか、直るまで寝かせておけば・・・。とりあえずこっちはなんとかこの体で過ごすよ。」
私がそう言うと、突然に相手の声が女性に代わった。
『く・れ・ぐ・れ・も・その体におかしな悪戯 など、なさらないようにお願いします。』
『あ、姉上・・・やめてください・・・。』
また言い争う声がする。
『でも。私の大切なお客人の あんなところ、や・・・こんなところ、を・・・興味本位でおもちゃ
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