第五十八話 入学前のその三十七
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「千里ちゃんそんな感じで奇麗になって」
「それでなのね」
「デートとかすればいいわね」
「デートですか」
そう言われるとです。
「まだ経験ないですけれど」
「高校の時も?」
「はい、そんなことは」
「あの子と一緒に歩いてない?」
「あの子っていいますと」
「だから後輩のね」
「阿波野君ですか」
「あの子とは何もないのね」
「はい、ないです」
私ははっきりと答えました。
「そうしたことは」
「何か一緒にお墓地に行ったり神殿に行ったりしてるでしょ」
「それは」
別に、でした。
「何でもないですよ」
「そうなの?」
「はい、あの子が自然についてくるか」
それか、あです。
「一緒にって言いますから」
「それで、なのね」
「一緒に歩いているだけで」
本当にそれだけです。
「何もないですよ」
「そうなのね」
「はい、何でもないですよ」
「あの子はどう思っているのかしら」
「どうとも思ってないですよ」
阿波野君にしてもです。
「絶対に」
「そうなの?」
「はい、あの子は只の後輩で」
本当にそれでしかなくてです。
「私にも何ともです」
「思ってないのね」
「そうですよ」
私に何か思ってるとかないです、絶対に。
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