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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第33節「喪失までのカウントダウン」
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わたし達を抱きかかえ、翔くんはライブ会場へと飛んだ時よりも力強く、わたし達と共に空へと翔いた。

「飛べよおおおおおおおッ!!」
「そいつが、聖遺物を消し去るって言うんなら──こんなの脱いじゃえ、未来ううううッ!」



フロンティアへと向けて放たれた極大の輝き。
小さな輝きの一つ一つを反射し束ねて増幅させた、迸る凄まじい光の奔流。

その眩い光の中へと、三人は飛び込んでいった。















「これは……」

翔、響、未来が神獣鏡の輝きの中へと消えた直後、海底より辺り一面を白一色に染め上げる程の激しい光が空へと立ち昇った。

「翔と響くん、未来くんはッ!」
「聖遺物反応の消失を確認ッ!」
「三名のバイタルは……確認できましたッ!」
「作戦、成功……なのか?」

その場の誰もが呆気にとられる中、エアキャリアの副操縦席へと上昇してきたウェルだけが、これまでにないほど満足そうな笑みを浮かべていた。

「作戦は、成功ですッ! 封印は解除されましたッ!」
「ドクター……ッ!」
「さあ、フロンティアの浮上ですッ!」




海底より立ち上った光が収まった直後、それは轟音と共に姿を現した。

それは、石を積み上げて造られた巨大な建造物だった。

神殿のようなひときわ巨大な建造物に、何十本もの石柱。

海面を荒れ狂わせながら浮上するそれは、舞い上げた海水を雨のように降らせながらどんどん上昇していく。

「いったい、何が……ッ!?」

一進一退の攻防を続けていた純と切歌もその手を止め、フロンティアの威容を前に立ち尽くす。

その時だった。



ガッ!



「……ッ!」

後頭部からの激しい衝撃に、純は倒れ伏す。

驚く切歌。
純は遠のいていく意識の中、なんとか背後からの襲撃者を確かめようと首を動かして──



「つばさ……せん、ぱい……?」


「──すまない、爽々波……ここまでだ」
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