三話 ラグーラビットの肉
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「ウグルワァァ?」
「ロア、スイッチ!」
「……うん。せいやぁ?」
ここは攻略の前線。迷宮でレベル82のリザードマンと剣を交えている。
僕が一撃決めるとリザードマンは
「キヨルキャアァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
と耳障りな音を泣きわめいてからこの世界からポリゴンのかけらとなって退場した。
「ふぅ。」
「どうする?日も暮れそうだし、レア武器もドロップしたとこだし、帰る?」
「………」
アクは無言で首を縦に振った。
「じゃ、帰ろっか。転移結晶、使う?」
「……」
僕がそう問うと今度はフルフルと首を横に振った。
「あ、転移結晶もったいないもんね。んじゃ、歩いて帰りますか」
「……うん」
そう言って僕たちは迷宮をあとにした。
迷宮を出て僕たちは今、森の中を歩いている。
正直言ってふらふらするほど僕は疲れていた、けど僕は《騎士》だもの。
姫(プリンセス)を守ってなんぼでしょ。
因みにアクにも二つ名があって…《月影の王女》って言うんだ。
アクに姫は似合わないから王女なんだって。どっちも同じ意味だとおもうんだけどなー僕は。そう思いながら進んでいると急にアクが立ち止まってしまった。
僕は急に立ち止まったアクに
「ど、どうしたのさ」
と言った。するとアクは
「静かに」
それだけ言うとしゃがみこんだ。
僕もそれに付き合ってしゃがみこんだ。
耳をすませる。
そよそよと風の音。
カサカサ揺れる葉っぱ。
そして……
「スキル発動の音?」
僕がそう言った瞬間、
「キュピーン」
と言う魔物の声と、アクが走り出すのがほぼ同時だった。
「あ、ちょ、アク!」
僕はそう言って走り出すが、AGR-STR型のアクにSTR-DRE型の僕が追い付ける訳がない。
索敵スキルや音などを使ってようやくアクを見つけた。
アクは誰かと議論をしている様だった。僕はそれに近づいていく。その誰かは索敵スキルを持っていたようで、多分僕がスキル内に入ったことで剣を抜こうとした様だったが、アクが押しとどめていた。僕はそれに少しほっとして、もう二人が見える位置まで近づいた。
「アク、どうし……た。」
アクにどうしたのか聞こうとしたが後半言葉が途切れた。何故ならば、議論していた相手が……
《黒の剣士》ソロのキリトだったからだ。
「なんでキリトとアクが議論しているの?」
緊張しながら言った。
まあ、一応フレンド登録してるけど、パーティメンバーとして一緒になったこと数十回はありますけれども!今までだったら普通に話してるけど?
僕は緊張を押し込めた。そりゃあ誰だって緊張するでしょ。
……《閃光》アスナの想い人だって聞いたら。
これはあくまでもアクが言
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