暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第247話「再起奮闘」
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やすいだろう。
 ……既に、帝の心に敗北の二文字はなくなっていた。

「……来いよ」

「ッ……舐めるのも……いい加減にしろぉっ!!」

 ただでさえ梃子摺った上に、挑発される。
 洗脳されているとはいえ、人間相手にそんな行為をされて、ついに神がキレた。
 問答無用とばかりに“性質”の力を帝達に差し向ける。

「はぁっ!!」

 それを、帝は“気合”で弾いた。
 ただの気合ではない。“気”によるバリアのようなものを張ったのだ。
 そもそも、“性質”が確実に相手に効く訳ではない。
 “意志”で、別の“性質”や“領域”で、それこそ気合で。
 いくらでも防ぎようはあったのだ。
 優輝も、最初の時点で意図的に無視する形で“性質”を無効化していた。
 帝も、同じような手段を用いただけに過ぎない。

「お前らこそ……人間を、舐めるなぁああああああああああっ!!!」

 気が膨れ上がる。
 “弱体化?そんなの関係ない”とばかりに、帝から圧が放たれる。
 遥か高みから見下ろすだけの神に、必死に足掻き続ける人間が負ける訳ない。
 主人公(ヒーロー)への憧れと、その意志が合わさり、さらに帝は昇華される。

「ッ、ァ……!?」

 一瞬、顎を蹴り飛ばされた“天使”は目の前の出来事を認識出来なかった。
 先程より弱くなったはずだ。遅くもなったはずだ。
 それなのに、()()()()()

「シッ!!」

 集中砲火を潜り抜け、一人を殴り、大きめの気弾を炸裂させる。
 爆風で“天使”が散り散りになる。

「私達を忘れてもらっては困りますね」

「彼ばかり気にかけていると、その脳天を即座に射貫いてしまいますよ?」

 直後、一人の“天使”が理力の剣で切り裂かれ、もう一人が矢に射貫かれた。
 ここにはミエラとルフィナもいる。
 その二人が戦闘に参加しない訳がない。

「ちぃっ……!」

 帝だけでも厄介だというのに、“天使”二人もいる。
 その事に焦りを感じつつ、何人かの神と“天使”がミエラとルフィナを囲む。
 残りも帝を包囲し、何としてでも叩き潰すつもりのようだ。

「『助けは必要ですか?』」

「『……いや、こっちが請け負う人数を減らしてくれるだけで十分だ』」

「『わかりました。こちらも心配無用なので、存分に力を振るってください』」

 念話でお互いに助けが必要ないと確認し、敵と改めて向き合う。

「……まだまだ“手札”はある。……そう簡単に勝てると思うなよ?」

 オッドアイからごく普通の黒目になったはずの瞳を蒼く輝かせ、帝は言う。
 直後、飛んできた理力の攻撃を、文字通り“殺した”。

「(……酷い視界だ。吐き気が
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