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レーヴァティン
第百五十七話 完全破壊その六

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「もうです」
「勝ちは絶対だよ」
「私達の。ですがそれでも戦おうとは」
 それも最後の最後までだ、夕子はその困った顔でさらに話した。
「流石と言うべきか」
「徹底的な軍事国家だな」
「全くですね」
「洒落になってねえな、けれどな」
「こうなってしまえば」
「今言った通りでやってる通りだよ」
 まさにというのだ。
「徹底的にな」
「攻めてそうして」
「勝ちますね」
「そうするな」
 こう言ってだった、久志は攻撃をさらに続けさせた。そしてだった。
 正門続いて裏門を破壊した後は兵達を街の中に送り込んだ、だが予想通りそれで終わらずスパルタ兵達はさらに戦い。
 そしてだ、街の中でも家や施設の建物に入りそこで戦おうとする、しかも城壁では攻防がまだ続いていた。
 それで久志はさらに命じた。
「城壁はこのままな」
「戦っていきますか」
「城壁の裏側からも攻めてな」
 街の中に入ったからだというのだ。
「そうしてな」
「城壁を壊して」
「もう崩してな」
 そしてというのだ。
「もう街を丸裸にして」
「そしてそこからも兵を入れてですか」
「ああ、街をな」
 今度はとだ、夕子に話した。
「そのうえでな」
「街も壊しますね」
「このままじゃ街に入られるか」
 それは無理だというのだ。
「若し入ったらな」
「市街戦になりますね」
「市街戦になるとな、迷路みたいな街だろ」
「しかも地の利は敵にある」
「どれだけ倒されるかな」
 それこそというのだ。
「わかりゃあしねえ」
「だからこそ」
「街に入らずにな」
「街の建物を壊しますか」
「そこにいる連中ごとな」
「流石に犠牲を出すよりは」
 自軍のとだ、夕子は出来る限り穏健に済ませたいその性格から苦い顔になった。だが現実を前にして言うのだった。
「その方がですね」
「いいよな」
「仕方ないですね」
「ああ、ただまだな」
「レーヴァティンは、ですか」
「使わないな」
 それはしないというのだ。
「あれは敵軍だけじゃねえからな」
「他の生きものもですね」
「焼き尽くすからな」 
 そうした武器だからだというのだ。
「だからな」
「まだ、ですね」
「核兵器みたいなものだからな」
 戦略兵器、そこまで強力なものだからだというのだ。
「そうそうな」
「使われないですね」
「もっと言えば使えないな」
「では奴隷や家畜は」
「殺さないからな」
 今の時点ではこう考えているというのだ。
「俺達が倒すのはあくまでスパルタ軍だ」
「即ちスパルタ市民であって」
「他の連中じゃないからな」
 だからだというのだ。
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