暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第百五十七話 完全破壊その五

[8]前話 [2]次話
「いいな」
「はい、それでは」
「これよりです」
「門を破壊します」
「敵の反撃が来てもな」
 実際に今も来ている、砲撃も銃撃も来る。矢も雨の如くだったがそれでもだ。
 久志はそうしたものを見ても平然として言うのだった。
「そのままだ」
「攻めていく」
「そうしますね」
「このままですね」
「ああ、もう城壁や門や塔ごとな」
「敵兵も倒していきますか」
「ああ」
 実際にとだ、久志は答えた。
「じゃあな」
「このままですね」
「攻めていくな」
「総攻撃を続けますね」
「攻撃の手を緩めるなよ」
 久志は兵達に告げた。
「いいな、門が完全に壊れるまでだ」
「攻撃を続けますね」
「このまま」
「そうしていきますね」
「ああ、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「完全に壊したらな」
「それからですね」
「城に入る」
「そうしますね」
「ああ、しかし入ってもな」
 それからのこともだ、久志は兵達に話した。
「まだだ、街の中もな」
「攻撃を行う」
「そうしていきますか」
「街もこうしてですか」
「攻撃していきますか」
「ああ、もう徹底的に戦うつもりだからな」 
 敵であるスパルタ軍、彼等はというのだ。
「だからな」
「もうですか」
「こちらも徹底的に攻めて」
「そうしてですか」
「破壊していきますか」
「ああ、もう街も市民もな」
 その市民がまさにイコールスパルタ軍だからだというのだ、見れば城壁の兵士達には武装した女子供までいる。
「やっちまえ、街は後で復興させてな」
「市民は、ですね」
 夕子が聞いてきた。
「復活させますね」
「ああ、手間暇はかかるけれどな」
 それでもとだ、久志は夕子に答えた。
「もうここまできたんだ」
「それならですね」
「敵が一人残らずいなくなるまでな」
 それこそというのだ。
「やってやるさ」
「それでは」
「まずは門を破壊するな」
 そう言いつつ攻めさせる、今丁度縄文に爆裂弾が炸裂した。ダメージは与えたが門はまだそこにある。
「そうするな」
「そうして街の中も」
「壊すな、ったく素直に降伏すればな」 
 それでとだ、久志は歯噛みしてこうも言った。
「ここまで苦労しないのにな」
「全くですね、もう勝敗ははっきりしています」
「戦う前からな」
「圧倒的な大軍で街を囲んだのですから」
 だからだとだ、夕子も困った顔で話した。
「こうなればです」
「援軍が来るあてもねえ」
「ならです」
 それならというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ