第32節「揺れる心」
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カーの射出を実行できるのは、これで彼女ただ一人だ。
「私がやらねば……私が……ッ!」
ff
「神獣鏡のエネルギーは、聖遺物由来の力を分解してしまう……ッ!」
「それじゃあ、シンフォギアじゃ防げないってことッ!?」
藤尭くんも友里ちゃんも、シェンショウジンへの対処法が見つからなくて、焦っちゃってるわね……。
流石は最弱にして最凶のシンフォギア……確かに翼ちゃん達では太刀打ちできないわね。
でも……幸運と言っていいのか、それとも不幸中の幸いなのか……。
一つだけ、今の未来ちゃんに対抗する手段がある。
提案するには憚られるけど、死の五言ってられる場合じゃないわッ!
「この聖遺物殺しをどうやったら止められるのか……ッ!」
「……弦十ろ──」
弦十郎くんに言いだそうとした、その時だった。
「師匠ッ!」
わたしより先に口を開いたのは、響ちゃんの方だった。
ff
「邪魔をするなぁぁぁッ!」
小日向を追いかけるも、ノイズ共が邪魔をして中々追いつけない。
既に小日向は、フロンティアを浮上させる準備に入っているのだろう。
急がなければ……ッ!
「ッ! はぁ……はぁ……」
周囲のノイズを全て打倒し、護衛艦の一隻に着地する。
息を整え、ふと足元に目が行った。
既に炭素の塵ばかりが積もる甲板。そこにあった炭は、まだ人の形を保っていた。
伸ばした手の中に握られていたのは、熱で変形したロケットだ。
そこには、さっきまでこの手の主だったであろう兵士と、彼に抱えられた小さな女の子の写真が入っていた。
おそらく、父娘だったのだろう。
この兵士は、故国に暮らす娘が平穏に暮らせる世界を守ろうと、戦場に立つことを決意したに違いない……。
それなのに、こんな……こんなところで……遺骨すら遺さずに……ッ!
「分かっている……。すべては私が未熟だったばかりに……ッ!」
あの時、スカイタワーにもっと早く急行できていれば、小日向が敵の手に落ちることもなかった。
あの夜、カ・ディンギル址地でウェルを抑えられていれば、このような事態にならずに済んだ。
全ては私が至らなかったばかりに……ッ!
……この責任は必ず果たす。
たとえそれが、恥辱と誹られることになろうとも……私は……ッ!!
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