第32節「揺れる心」
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ゃんはおそらく、フロンティアの封印を解除するつもりよッ!』
「ッ!?」
未来は海上を飛び、どんどん進んでいく。
純は切歌に動きを止められ、翼は調を放っておけない。
「このままじゃ振り切れねぇッ! 翼先輩、早くッ!」
「……すまない爽々波、ここは──」
その時、空母のすぐ傍から水柱が上がった。
水柱を裂いて中から現れたのは……スーツを着た忍者だった。
「調ッ!」
「緒川さんッ!」
「人命救助は僕達に任せてッ! それよりも翼さんは、未来さんの補足をッ!」
「緒川さん──お願いしますッ!」
「切ちゃん……」
降り立った緒川が調を抱え、海面を疾走して空母を離れる。
「ッ!? 水上を……ッ!?」
直後、切歌の鎌の柄を蹴り上げる。
動けるようになった純は切歌の腹に蹴りを入れて後方へと吹っ飛ばすと、翼の方を振り返る。
「この子は俺が。行ってくれッ!」
「任せたッ!」
翼はカタパルトに乗り、刀を突き立ててロックを破壊すると、そのまま隣の艦へと向かって飛んだ。
「く……ッ!」
「さて、これでタイマンだ。この前の借りを返させてもらうぜッ!」
純は右腕に盾を装着し直し、切歌を真っ直ぐに見据えた。
ff
振りかざす鎌を尽く盾で防ぎ、素早い踏み込みから繰り出す拳には、アキレウス由来の堅さが加わり当たれば結構しんどいデス……。
デスが……アタシは負けられないのデスッ!
(アタシが消えてなくなる前に……やらなくちゃいけない事があるデスッ!)
「ぜああああッ!」
「うりゃあああッ!」
盾をナックルとした剛拳を繰り出す、その瞬間。
鎌の柄を利用して、アタシは高飛びの要領で金髪のアイツの頭上を取る。
「マスト……ダァァァァァイッ!」
「ッ!? こいつは……ッ!」
間髪入れずに両肩のアンカーを射出。鎖で金髪の身体を縛り付けて拘束する。
厄介な盾を封じた今なら、確実に……ッ!
「やるデス……ッ!」
動けなくなった対象を、後方を向いた肩アーマーの裏にあるバーニアで加速しながら、ギロチン型に変形させたイガリマの刃を蹴り込んで両断する。
まさに必殺の一撃、鎖を引き千切らない限り逃げることは出来ないッ!
〈断殺・邪刃ウォttKKK〉
決まったッ!
と、そう確信した瞬間だった。
「うおおおおおおおッ!!」
金髪は両脚の裏にローラーを展開させて、高速スピンでアンカーごと鎖を引っこ抜き、ギロチンを伏せて躱しやがったデスッ!?
「お前は、何を求めて──」
巻き付いていた鎖を回転の勢いで振り払い、金髪は構える。
アタシが何を求めるか、デスと?
そんなもの……あの手紙を書い
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