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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga6-C遭遇〜Huckebein 2〜
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魔力結合を分断するディバイド能力を以てしてもミヤビに確実なダメージを与えられない今、どうやってこの場を切り抜けようかと考えるばかりだ。

「勘違いをしているようですね。あなた達は初めから私たちを殺そうとしていました。ですが私たちは違います」

――風炎鬼降臨――

ミヤビの額から生える2つの水晶角の色が茶色から翠色と赤色の二色へと変化した。すると彼女は大地の束縛から解放されたと言わんばかりに軽やかにその場で小さくジャンプを始めた。先程までミヤビは地鬼という力を使っていた。機動力が恐ろしく落ちるが圧倒的な打撃力と防御力を得ることが出来る形態だ。その地鬼から純粋な攻撃力を底上げさせる炎鬼、圧倒的な機動力を得る風鬼の2つの形態へと変化した。

――鉄兵風馳――

ジャンプからの一直線の高速移動でドゥビルへと肉薄し、右手に炎を付加しての拳打、「紅蓮拳殴!」を彼の心臓付近に打ち込んだ。炎の拳は胸部装甲を一撃で穿ち、強靭な筋肉すらも穿った。その瞬間には炎は消えたがミヤビの手は心臓付近にまで突き入れられ、その気になれば体内を燃やし尽くすことも出来るだろう。

「あなた達を簡単に殺せる術を持っていながらも、私たちは殺さないように注意していたんです。殺す気でいながらも殺せないあなた達と、殺せるのに殺さないでいる私たち。どちらが上か、理解できませんか?」

あと数p突き入れればドィビルの心臓に触れられるであろうミヤビは、「これで最後です。投降してください」と告げる。それでもドゥビルは「聞けんな」と瞬時に右腕を再生させ、その大きな両手でミヤビを握り潰そうとした。

「そうですか、残念です」

ミヤビは手を引き抜いて一足飛びで数mと後退すると、「ルシル副隊長に代わります」と言った。ドィビルが「なに?」と聞き返すと、ミヤビは「私は手加減が下手なので」と返した。その時。

「おぉぉぉらぁぁぁぁぁぁ!!!」

空から少女の叫び声が響いてきた。ドゥビルはその声の主が誰であるか判っているため、地面になおも転がる千切れた右腕から戦斧を取るため動き出し、ミヤビは「新手!?」と空を見上げた。
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