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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga6-C遭遇〜Huckebein 2〜
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リューテ”を持つ右手を横に向かって水平に上げ、そして反対の左側へと右腕を曲げた。右の肘窩が口の前にまで来たことで「飛刃」と漏らした口を見られず、その声も聞こえなかったサイファーは、「絶つ!!」と無防備に突っ込んだ。
「一閃」
イリスが横薙ぎに振るった“キルシュブリューテ”より放たれる剣閃。サイファーは念のためにとダラリと下げていた両腕の内、左腕を振り上げた。振り上げた短い黒刀が剣閃に触れると、スパッと何の抵抗できずに斬られた。
「は・・・?」
まずい。避けなければ。そう脳が判断する頃にはすでに手遅れ。絶対の自信を持っていた鎧装と一緒に腰が切断され、上半身と下半身が切り離された。
「所詮はエウリプスウィルスとディバイダーで強くなったと錯覚しただけか。よっわ」
フッケバイン一家に殺害された局員の中にはイリスの知人も居た。特別親しいわけではないが同じ剣を使う同僚ということで、何度か話をする程度の仲だった。その同僚を殺害されてイリスもまた怒りに燃えていた。だからこそ最後にせめてもの怒りの発散として、剣の腕を自負するサイファーに対して、弱い、と言い放った。
ミヤビとドゥビルの闘いもすでに決着がつきそうだった。鎧化によって圧倒的な防御力を得たドゥビルも、ヴェイロンやサイファーと同じように混乱を微かにだが抱いていた。
(この細い体に、どこにこんな力があるというのだ)
高速に振るわれる巨大な戦斧を軽やかに躱し、懐に入って右ローキックを打つミヤビ。その一撃でドゥビルの左脚がひしゃげ、彼の攻撃を中断させる。しかしその損傷も5秒とせずに再生され、ミヤビは「む。いい加減にしてほしいものです」と溜息を吐いた。
「俺の病化特性は高速再生。即死しない限り俺が負けることはない。うおおおおおおおお!」
「遅すぎて退屈ですよ?」
「なに・・・っ!?」
戦斧を振り回すドゥビルと、その大きな刃を両手で白刃取りするミヤビ。ミヤビはその戦斧ごととドゥビルを持ち上げると、「でぇぇぇぇい!!」と彼を背中から地面に叩き付けた。僅かに呻くドゥビルだが、その防御力のおかげで痛みすら感じない。ミヤビは戦斧の先端を踏みつけ、「この刃で殺めた方たちに謝罪なさい」と言い放った。
――地顎挟刃――
ドゥビルの右腕を挟み込むようにして地面がワニの口状に隆起し、装甲に覆われた右腕をガギンと挟み、そのままブチッと噛み千切った。それでもドゥビルは涼しい表情を崩さずスッと立ち上がって、一瞬でミヤビより距離を取った。
「これ以上はいたずらに傷付くだけですよ? 投降してください」
「つまらん冗談だ。俺からディバイダーを離したからと言って勝ったつもりか?」
そうは言うドゥビルだが、自慢の甲冑が役に立たず、“ディバイダー”と
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