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Saga6-C遭遇〜Huckebein 2〜
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た人の無念を晴らすため、最後まで抵抗してくれよ?」

珍しく殺気立ってるルシルと、怒りで拳を震わせてるミヤビ。わたしはかえって冷静にいられる。本来の任務である首長や“竜玉”の護衛も大事だけど、フッケバインの壊滅もまた重要だ。だから「そういうわけで、フッケバイン。今日で潰れてもらう」って“キルシュブリューテ”の剣先をヴェイロン達に向けた。

・―・―・―・―・

フッケバイン、特務零課、ともに管理外世界で遭遇することなど考えもしなかった。そしてそれは、イリスら零課にとっては僥倖でもあった。同じ局員という身内や、民間人を殺害している犯罪者集団を潰せる機会を得たことは。

「フッケバインを潰す、か。それは我々の本質を見た後でも同じことを言えるか?」

サイファーは右手に持つ刀を地面に突き刺し、左手に持つ鞘を放り投げて両手をフリーにすると、ベルカ語でケーニッヒと刻印された小さなナイフを手にし、左手の平に突き刺した。

≪React≫

左手に飲み込まれていくナイフよりそんな音声が発せられると同時、サイファーを飲み込むようなエネルギーの奔流が空にまで噴き上がった。その奔流が治まると、サイファーの両手には黒い刀が握られていた。右手の刀には銃のシリンダーとトリガーがあるが、左手の短い刀にはそれはない。しかしともに複数本の両刃短剣が外に向かって伸びたナックルガードを有している。

「これがディバイダーの真の姿、リアクト形態。ディバイダー944ケーニッヒ・リアクテッド」

続いてドゥビルも、銃床とトリガー、グレネードランチャーサイズのシリンダーを有した両刃の片手斧型の“ディバイダー”を持ち上げ、その刃で左腕を斬った。

≪React≫

彼もまた空へと昇り立つエネルギーの奔流に飲まれた。そして治まると、半裸だったドゥビルの姿は一変していた。肌が青く変色し、髪は無造作に伸び、腕と上半身は頑強な鎧を纏い、片手斧は両手でなければ持てないほどに大きな戦斧へと変形していた。

「ディバイダー695ランゲ・リアクテッド」

サイファーの“ディバイダー”が二刀一対になったことにも、ドゥビルが変身したことにも大して驚きを見せないイリス達。最初に口を開いたのはルシリオンで、「ヴェイロン。お前にもリアクトの機会をやろう」と炎槍を解除した。

「・・・」

下あごがまだ再生し切っていない所為で睨むことしか出来ないヴェイロンに代わりサイファーが「それは無理だ。リアクターがない」と言った。イリス達の視線を受けたサイファーは、感染者がその真価を発揮するには“ディバイダー”と“リアクター”が必要であることを伝えた。

「割と重要そうな情報だけど、ここで話したってことはわたし達を生かして帰さないってことかな?」

「そういうことだ」


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