第四百十六話 その人は彼でした
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第四百十六話 その人は彼でした
この頃カナダは。一人自分のお家でにこにことしていました。
「ねえ熊八さん」
「今度は水爆打法で兄貴を空高く投げるんだな」
ここでも名前を間違えているカナダです。
「そもそもダりナンダアンタイッタイ」
「またそこでオンドゥルなんだね。だからカナダなんだって」
相変わらずお互いのことを知らない二人です。
「とにかくさ。僕やったんだよ」
「どうしたの?」
「戦隊に選ばれたんだよ、戦隊に」
上機嫌で熊さんに言います。
「戦隊に。追加メンバーだけれどね」
「ああ、あの生徒会でやってる戦隊?」
「そうだよ。何でも炎神連合戦隊っていうらしいけれど」
「そういえば君あの戦争に参加していたんだ」
「うん。皆も僕の活躍を当てにしてくれていたんだよ」
自分ではこう思っているのですが実際のところは。敵はおろか味方にさえその存在を半分以上忘れられてしまっていたのが実情だったのです。
「だから頑張ったんだ」
「そうだったんだ」
「それでその僕が遂に戦隊に」
感無量といった様子です。
「嬉しいじゃない、やっぱり」
「よかったね」
「さあ、頑張るよ」
目をきらきらさせて言います。
「これからはレンゴウシルバーだからね」
「ボウケンシルバーみたいな呼び名だね」
彼は全く気付いていませんでした。シルバーは既に決まっていることに。しかもコスチュームは皆のそれぞれのカラーに黒いズボンじゃなくて半ズボンで銀色になっていることに。本当に全く気付いていませんでした。
第四百十六話 完
2008・10・25
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