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夢幻水滸伝
第百三十六話 二度目の勝利その七

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「それで倒すって言うたんや」
「そやな」
「それでや」
 芥川は狐にさらに話した。
「相手はどう来るかや」
「身体二つになったんや」
 それでとだ、芥川は施のこのことについても話した。
「如意棒持ってる方が接近戦挑んできてな」
「如意棒は本来そうした武器やからな」
「それで弓持ってる方はな」
 そちらはというと。
「弓を持ってるさかいな」
「これまで通り遠間からやな」
「攻めてくる、それで白澤もおる」
「白澤はこれまで通りわしが引き受ける」
「そうしてくれるな」
「そう答えると思ったやろ」
「勿論や」
 芥川は心の中で不敵に笑って言葉を返した。
「いつもの付き合いやしな」
「そやな、ほなな」
「白澤は任せるで」
「任せてもらう」
「ああ、それで施も術を使う」
 星の者として全ての術を使えるというのだ、職業に関わらず全ての術が使えることも星の者の強みである。
「それでや」
「どっちの身体でも使うな」
「接近戦挑む方は防御や戦闘補助のものを主に使って来る」
「接近戦にはそうした術が助けになるからな」
「それでそっちを使う」
「そして弓を持ってる方は」
「攻撃が主や」
 そちらの術だというのだ。
「それを使ってな」
「弓矢と共にやな」
「使ってくる」
「そこまでわかってるな」
「そや、それでや」
 まさにと言うのだった。
「それぞれ使ってくる」
「そこまでわかってるな」
「そや、それでや」
「どうして戦うか」
「そして勝つか」
「もう策はあるんやな」
「ああ、忍者の切り札は幾つもあるっての見せたるわ」
 こう言ってだ、そしてだった。
 二つの身体を駆使して攻めてくる施との死闘を再開した、如意棒も弓矢もどちらの攻めも激しいもので芥川でも凌ぐには限界があると思われた。
 芥川の予想通り術も使ってくる、そうしつつ弓を持つ施が言ってきた。
「さあ、もうそろそろ限界やろ」
「そう言われるとな」
「嘘やないな」
「そや、見事と言っておく」
 施のその攻めはというのだ。
「僕でももうあかんわ」
「そやな、しかしな」
「それでもやな」
「おたくは強い」
 芥川、彼はというのだ。
「そのことは事実やからな」
「それでやな」
「自分は戦は絶対に手を抜かんが」
「相手が誰でもやな」
「おたく位の奴は特にや」
 芥川の様に強い者はというのだ。
「最後の最後まで戦う」
「そうするか」
「それでや」
「そろそろ止めか」
「覚悟するんや」
 こう言ってだった、そのうえで。
 弓矢を持つ施も如意棒を持つ施も芥川に渾身の一撃を放った、白澤は今も狐と闘っているが彼等の闘いは決まろうとしていた。
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