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麗しのヴァンパイア
第二百四十八話

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              第二百四十八話  色白色黒
 梨花は母に色白という言葉からどうかという顔になって聞いた。
「色黒だと駄目なの?」
「昔は色が白いのはいいって言ってたの、日本ではね」
「そうなの」
「ただ。梨花ちゃん黒人の人達のこと言ってるのね」
「うちの学校黒人の人も多いから」
「世界中から人が集まる学校だからね」
 梨花達が通っている八条学園はそうなのだ、幼等部でも生徒の約半分位が外国人で黒人も多いのだ。
「それでね」
「だから色黒でもね」
「悪くないの」
「そうよ、黒人の人のお肌もね」
「いいの」
「これは日本人で言われていることで」
 母は娘にさらに話した。
「それも昔のね」
「昔の日本人なの」
「そうよ、日本人のお肌は白い方がいいってね」
「言われていたのね」
「けれど白人のお肌が一番いいとはね」
 その様にはというのだ。
「言ってないわよ」
「そうも言ってないの」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「別に人種のお話じゃないの」
「そうよ、安心してね」
「そう聞いてほっとしたわ」
 梨花は心からそうした顔になって言った。
「本当に」
「そうよ、後ね」
「後?」
「色が白いならね」
 それならというのだ。
「それを活かせばいいし色が黒いならね」
「黒いのをなの」
「活かせばね」
 それでというのだ、
「いいのよ」
「そうなのね」
「だから梨花ちゃん達はその白いお肌をね」
「活かせばいいのね」
「そうよ、あと元々きめ細かくて柔らかいから」
「いいのね」
「そうよ、だからね」
 こう娘に言った。
「もっとね」
「もっと奇麗にしていけばいいのね」
「そうよ、いいところを活かしてね」
「そうしていけばいいの」
「そうよ」
 こう言ってだ、そしてだった。母は娘に牛乳を飲む様に言った。それが奇麗な肌を作ってくれると言って。


第二百四十八話   完


                2020・3・19
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