謎
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ような雰囲気ではなかった。
「自分のことなのに・・・だと?」
ティオスの言っていることの意味がわからず目を細めるシリル。それに対し青年は鼻で笑って返した。
「そうだ。お前は今とんでもない失態を犯している。今までが大丈夫だったからなんだろうが・・・」
そう言ったティオスは拳に魔力を集めると、少年の顔面目掛けて振り抜く。
スカッ
だがもちろんそれはシリルには当たらない。体を軽くずらしただけで回避した彼は、高々と足を振り上げる。
ガンッ
そのまま踵落としでティオスの肩を狙ったが、敵も同様に最小限の動きでそれを避ける。
ニヤッ
「!!」
シリルのそれを避けた直後、ティオスから笑みが溢れた。別に戦局に影響を与えるような場面ではなかった。攻撃が当たっていようと外れていようと、すぐに元に戻せるような状況。それなのに、ティオスはまるで勝負が決まったかのような余裕の表情を浮かべたのだ。
(何かがおかしい)
そう思ってシリルは一度距離を取ろうとした。それに対しティオスは同調するように突進し、一定の距離を保つ。
「竜魔神・・・」
体を一回転させての勢いを高める動作。何度も間近でそれを見てきたシリルは回転方向からどちらの足が出てくるのかすぐに判別できた。
「氷結!!」
氷の滅神魔法が主となっているためこの名前だが、3種類での魔力は健在。しかしシリルはそれを見切ることなど容易い。ロスのない動きでそれを回避する。
「竜魔神の・・・」
それでもなおも攻撃を仕掛け続けてくるティオス。遠目から見れば一方的に押し続けている猛攻。それに対し、彼の意図が読めないシリルは、徹底的にその攻撃を回避することに徹しているため、ダメージを浴びることはなかった。
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