謎
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レフは、思わず頭を抑えた。
「オーガストってあのじいさんが!?」
「ゼレフの子供!?」
その事実を知った時、現場にいなかったナツたちは驚きを隠せない。それも無理はない。姿だけ見れば、オーガストの方が遥かに年上に見えるため、とてもゼレフとメイビスの子供など想像できる方がおかしいのだ。
「オーガストは、私にあなたを止めるように言いました。私の力ではあなたを止めることはできませんでしたが・・・」
メイビスはナツの方へと視線を向ける。彼はそれに気が付いていないようで、オーガストが二人の子供であることをいまだに納得できず、周りの仲間たちと話をしている。
「仲間がそれをやってくれました。ですが、私は本来の目的を見失い、あなたと共に逝こうとしてしまった」
「本来の目的?」
小さく頷く少女。彼女は彼の目を見ると、ゆっくりと頭を下げる。
「ティオスを倒すために・・・力を貸してください」
メイビスは息子が命を賭けても成し得なかったティオスを倒すため、ゼレフの手を借りようとしていたのだ。それを聞いたゼレフは驚愕の表情を浮かべたあと、小さく笑みを浮かべる。
「僕でどこまで役に立てるかはわからない。ただ、君が・・・君たちが僕を必要としてくれるなら、喜んで手を貸そう」
「ゼレフ・・・」
その回答に思わず笑みを浮かべるメイビス。このクリスティーナに乗り込んだものたちも皆、気合いが入ったのか拳を合わせたり、視線を交わらせたりとそれぞれの方法で気合いをいれていた。
「だけど・・・問題はそのあとかな・・・」
「そのあと?」
希望に溢れたと思われたその瞬間、突然ゼレフの表情が暗くなる。それがどういうことなのかわからずにいると、彼は静かな声で話し出す。
「ティオスを倒すことはなんとかできるかもしれない。でも、そのあとに問題があるんだよね」
「だからそれは何なんだよ!!」
パッとした回答を寄越さないゼレフに弟であるナツが怒る。彼の言葉を聞いても、大半の魔導士たちは意味がわからず顔を見合わせていた。
「気付いてるものもいると思うよ。ただ、それを信じたくないから、目を背けているだけ」
全員にゆっくりと視線を向けるゼレフ。彼らはそれでも何かわからず、顔を見合わせることしか出来なかった。
その頃、すでに戦いから離脱しているものたちは、この状況を冷静に見守っていた。
「よかったじゃない、オーガスト。お父さんにも気付いてもらえて」
ゼレフとメイビスの会話を見ていたヨザイネは、ニヤニヤとしながら隣の老人に告げる。その表情はいたずら盛りの子供のような笑顔だった。
「茶化すでない。それより、これ以上何が問題だと
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