第四十二話 灰色の少女
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る。
「こんな所に小さい女の子…?何でここに?おまけにこんな小さい子供にレーザーショットを持たせるなんてな…」
レーザーショットの銃は単発の威力はバスターショットの銃を上回るものの、連射性能が低いために小回りがバスターより利かないためにそれを嫌う者はバスターを選ぶ傾向がある。
「し、仕方ないじゃない!アタシのこれはハンターのみんなが使ってたお下がりなんだから!!」
「お下がり…?ハンターに所属してるのか?」
「そっ、今はまだ十二歳にもなってないから見習いにもなれてないんだけどね」
「そうか…護身用ならもう少し使いやすい銃を渡せば良いのにな…君の所属してるハンター達はどこにいるんだ?」
近くには人の気配がないので、少女に保護者となる者達がどこにいるのかを尋ねる。
「う……」
「あ、迷子になったのか」
「し、仕方ないでしょ!次の目的地に向かう途中でみんな一目散にイレギュラーのいる場所へ向かって行ったんだから!!」
「そうか…」
少女の言葉にヴァンは頷いた直後、少女のお腹が盛大に鳴った。
「…………腹減ったのか?」
「…………うん」
昔のエールを思い出しながら、パンの残りとスープを出してやると少女はパンとスープを食べ始めた。
「美味しい!」
「普通のパンとインスタントスープだけどな…君の家族もハンターなのか?」
「ううん、アタシには両親はいないの。物心つく前にイレギュラーに襲われたどこかの町で一人だけ生き残ってたんだって」
「そうか、君もイレギュラーの襲撃で…」
「君も?」
「俺も君と同じだよ、俺もイレギュラーの襲撃で母さんを喪った。俺の幼なじみもな」
「ふーん…そっか…」
初めて会った二人が同じ境遇であることに奇妙な親近感を覚えた。
「もう暗いから、明日の朝に君の所属してるハンターの所に連れていくよ」
「良いの?」
「ああ」
マグカップのスープにパンを浸してヴァンはそれを口にして咀嚼する。
「俺はヴァン…君の名前は?」
「アタシはアッシュ!一流で世界一のハンターになる予定で、いつかは世界中にアタシの名前を轟かせるのが夢!」
「世界中か、スケールがでかいな」
「でしょ?」
アッシュと名乗った少女とは色々な話をした。
ハンターとしての生活や自分にライバル心を抱いて突っ掛かってくる暑苦しい同期のハンター。
初めてレーザーを渡された時の嬉しさ、簡単なお使いのようなものとは言え、ミッションをクリアした時の感動。
「(エールも昔はこんな風だったな)」
しばらくして寝静まったアッシュ。
体が冷えないように焚き火は維持出来るようにする。
「(運び屋のみん
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