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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
どうやってあたしは、生きていくか
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とれてしまいました…。」
「ああ、アレね。昔から運動は得意でさ。そのせいでよく他の部活の助っ人とかに呼ばれたりしたんだ。」

とはいってもそれは高校の話。
就職活動を始めてからは運動不足気味で、運動神経も落ちているかと思ったがそうでもなかった。

「一時期友人からの誘いでパルクールとかもやったりしてて さ。」
「ぱる…くうる?」
「んーと…建物とかに飛び移ったり飛んだりするやつ。」
「忍の者でしょうか?」
「…だいたいあってる…かな?」

追い剥ぎ達を倒したことであたしは得意気になり、昔話に花を咲かせる。

「でさ、その子がホントに過剰にスキンシップしてきてさ。ムラムラしてきてしょうがなかった。」
「確か高校生の頃とおっしゃってましたね。葵様が目覚めたのは…。」
「うん、そう。だから女子とは距離とってさ、よく男子とつるんでたよ。」
「なるほど…。」

そして、あれだ。

「そんで男友達の中に宮本ってヤツがいたんだけど、そいつからFGOを教わったんだ。」

最初は興味なんてなかった。
ただあんまりにもしつこいからインストールしただけで、後は適当にやったらアンストしようと思ってた。
でもかわいいサーヴァントもいるし、もうちょっと続けてみよっかなというのを何度か繰り返し…

あたしは運命に会った。
高校三年生の2月。FGOではバレンタインのイベントが始まった頃だ。

「最初に見たときはこれが紫式部なんだって思ったよ。」
「ええ…この洋装はなんといいますか…折角なのではりきっていたといいますか…。」

軽い気持ちでガチャをやったら、出てきた。
おしとやかで、気品溢れる女性。
あたしの理想の女性そのものだった。
たかがゲームに理想を求めるのはアレなんじゃないかと思われるかもしれないが、それだけあたしにとって、紫式部はどストライクだったんだ。

「どうしたら強くなれるか徹底的に宮本から聞いてさ、」
「そうですね…葵様からは数々の愛を頂きました。」

レベルは勿論上げた。
あとなんか攻撃力とか体力とかが上がる動物のヤツとか、
それと、レベル上限を上げる聖杯も。
勿論、絆だって最大まで上げた。

「あれだけ大事にされ、だからこそ香子は、この機会に乗じてあなたに会いに行こうと思ったのです。」
「そっか…そういうことなんだ。」

あたしのところに来てくれた理由がやっとわかった気がする。
自分に紫式部は相応しいのだろうか、という問題じゃない。
源 葵だからこそ、この紫式部は来てくれたんだ。

「それとさ、香子。」
「はい。」
「さっきのアレありがと。最っ高だったよ。」

さっきのアレというのは追い剥ぎと戦っている最中に起きた、謎のパワーアップだ。
キャスタークラスっ
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