第七話「LARGE再び」
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してつらいことがあったって負けるんじゃないぞ?」
「うん、約束だね」
「ああ、約束だ!」
最後に、もう一度壮太の頭を撫でてやったラージは彼らに背を向け、仲間と共にバイクで去っていった。
*
その後、朱鳥は敷島博士の研究所へ運び込まれ、彼の治療によって元気に回復でき、失った片腕も嘘のように戻って、また神社で奉仕できるまでの身体へ回復することができた。
滝さん達は未だに俺たちライダーを見守るように監視を続けているそうだ。
弾は翔一さんの所へ言ってバイト兼弟子となって今もレストラン「AGIT?」に身を置いている。
「……最近、不審者が後を絶たないようだな? 駄菓子屋の前で動物の着ぐるみを着た四人組が目撃か」
「へぇ〜」
あれから数日後、ようやく元の生活を取り戻すことができた。当初はどうなるかとおもったが、今となっては中途半端な自分を改めて見直すいい反省にも慣れた。もちろん、これ以上朱鳥を傷づけられるわけにはいかない。そのためにも自己犠牲を覚悟で必死に戦い続ける性分だ。
昼休みに社務所の休憩室で新聞を広げながら記事を読み上げる袴姿の俺と隣で巫女装束で座る朱鳥の二人。
「そういえば、このあたりにオートバイに乗った若い男性の方が何度も目撃されたって聞きますね?」
「こわいなぁ――っていうか、近くに滝さんとか居ると思うけど」
「そういえば『風都』っていう地域で噂の名探偵がいるらしいですよ? 誰かが依頼で何とかしてくれるんじゃないですか?」
「あはは、それっていわゆる『興信所』っていうんだろ? ああいうところって何十万もお金がかかるから、そういう事件とかは警察がやるもんさ」
事件を解決する名探偵っていうのはあくまでも推理小説の産物。探偵というのは興信所となって浮気やらいろんな人間関係を調査する仕事が主だろう。
そんな社務所へ、誰かが訪ねてきたことを知らせるインターホンが鳴り響いた。
「ああ、俺が出るよ」
ちょうど休憩も終わったことだしと、俺は腰を上げて玄関へ向かった。
「はい、どちら様ですか?」
ガラガラと引き戸を開けて、目の前に現れた人はスーツを着た男性だった。
「ッ!」
とたん、俺の第六感がこの男から発せらえる異様なオーラを感じ取った。強化人間故の力かもしれない。
――この人、いい人なんかじゃない?
「どうも! 私、『高見沢グループ』総帥の高見沢逸郎と申す者です」
「高見沢って――あの?」
有名な巨大企業だ。それも目の前に立つ男はその企業の総帥!?
「初めまして、仮面ライダーラージ君」
にやりと高見沢の野心溢れる笑みがこぼれた。
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