第七話「LARGE再び」
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を左右に広げ、人の体にカラスの頭をもった――化け物だ。
「ひ、ひぃ――!」
周囲はその異形のカラスロイドを前に腰を抜かし、逃げようにも背を向けることすら恐怖であり、動けずにいた。
「た、たすけてぇ……!」
そんなカラスロイドの足元には派手な姿をした若い女性が、カラスロイドが飛来した衝撃で動けない体で泣きながら横たわっていた。
「邪魔だ」
その言葉を最後に、倒れている彼女の頭部をボールのように軽く蹴り上げた。
彼らの頭上を、女性のものだった部位が宙を飛び、それが二人の青年達の足元へ落ちると……
口元をパクつかせながらこちらへ視線を合わせる女の頭部と視線が合ってしまった。
「う――うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
二人は悲鳴と共に他の通行人共にすぐにもカラスロイドへ背を向けて疾走しだした。
「フンッ!」
カラスロイドは、おの片腕から研ぎ澄まされた鋭い刃で次々と逃げ惑う人々を襲い始める。
「戦闘員!」
カラスロイドのその人声に、いつの間にか彼の背後から黒づくめのショッカー戦闘員が奇声を放ちながら群がりだした。
「存分に楽しめッ!」
血塗られた片腕の刃を掲げるとともに戦闘員たちはいっせいに散開し、逃げ惑う人々を捉えては、片手にする剣を振り下ろしてはいたるところで人間達の血しぶきが吹き荒れていく。
ショッカーの一団によって新宿の歩行者天国は虐殺の惨状が広がる地獄絵と化した。
「捕らえろ!」
次に発したカラスロイドの一声に、戦闘員は逃げ惑う人々を追い越すと、彼らの頭上を人並外れた身体能力で飛び越し、次々に目の前に立ちふさがって、逃げ延びようとする市民を次々と捕らえて人質に取ってしまった。その数はおよそ40名。
「なんなんだよ――何なんだあいつらぁ!?」
「化け物だぁ……」
「ISは何してんだよ! 早く来てくれぇ――」
そんな震える市民の中から聞こえてきた「IS」に反応してか、
「ISぅ? ……ああ、こいつらのことか?」
カラスロイドは片手にぶら下げ持っているものを彼らに見せつけた。血まみれになった片腕のアーマー。それは紛れもなく自衛隊のISの残骸で、腕ごと斬り裂かれたISのアームパーツであった。
「う、うそだろぉ……」
周囲は、あの最強とうたわれたISが敗れたことの恐怖と絶望が脳内を駆けまわった。
今の彼らにあるのは人質にされたことによって自分たちのあのISのような有様にされるのかと妄想する恐怖と絶望だけ。
「さぁ、バトルのコマはそろったぞ! ラージ――」
突如、余裕を見せるカラスロイドの声をかき消す複数の声が聞こえた。来るならいつでも来い、そんな余裕を持つカラスロイドであったが……
「「変身ッ!!」」
「――?」
その声の方へ目を向ければ、一
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