第31節「愛の力」
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り抜けるキミの左手 私だってキミを守りたいんだ──」
「くっ……ううう……!」
クリスは必死に耐えている。
(イチイバルのリフレクターは、月をも穿つ一撃すら偏光出来るッ! そいつがどんな聖遺物から作られたシンフォギアか知らないが、今更どんなのぶっこまれたところで──)
だが、切歌は焦燥の表情で叫んだ。
「今のうちに逃げるデス調ッ! 消し去られる前にッ!!」
「っ!? どういうことだ!?」
翼が怪訝そうな表情で尋ねるのと、異変が起きたのはほぼ同時だった。
「私は絶対譲らない もう遠くには行かせない こんなに好きだよ ねえ…大好きだよ──」
「──な、何で押されてんだよッ!?」
なんと、リフレクターが少しづつ分解され始めていたのだ。
それと共に、イチイバルの腕アーマーもボコボコと溶解し始め、気泡が浮き出ていく。
「無垢にして苛烈──魔を退ける、輝く力の奔流……これが、神獣鏡のシンフォギア……」
調の言葉の直後、了子の慌てる声がクリスに届く。
『神獣鏡の力、それは聖遺物由来のあらゆる力を分解する凶祓いッ! その光は聖遺物殺しの輝きなのッ! リフレクターが保っている今の内に、急いで退避してッ!』
「何だとッ!? くッ、ぐううう──ッ!」
押され始めるクリス。
「あの忘却のメモリア ぐしゃぐしゃに笑って泣いた日 強く握った手はあったかく…あったかく──」
その時、神獣鏡の輝きとリフレクターの間に、巨大な刀身が壁となって立ち塞がる。
「掴まれクリスちゃんッ!」
「呆けるなッ!」
翼が調を、純がクリスを抱えて走る。
アキレウスの速力と、アメノハバキリの機動力。
それぞれ全速力で加速し、背後より迫る破邪の光から逃げる。
「私は絶対許さない こんな自分を許せない だから戦うの──」
更に、普段は〈天ノ逆鱗〉で使用している巨大剣を、障壁として何枚も連続で出現させる。
すぐに〈流星〉が貫通してしまうため、稼げる時間は二秒と保たない。
何枚も並べれば、稼げる時間もギリギリではあるが一瞬ではない。
(だが、それでもこのまま一直線に逃げ続けたところで、退路はないッ! そうなったら直撃、一巻の終わりだッ!)
(横に躱せば、減速は免れない……その瞬間に巻き込まれるッ!)
((ならば……ッ!))
『追いつかれるッ!』
『みんなッ!』
『緒川ぁッ!』
通信から聞こえる、本部で見守る響達の声。
翼と純が見つけた逃げ道、それは──ッ!
「どん詰まりッ!?」
背後ではなく目の前に突き立った刀身に、クリスが叫ぶ。
「喋っていると……」
「舌噛むぜッ!」
そう言って純はアキレウスのジャッキ
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