疾走編
第三十一話 帝国領潜入
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白そうと言われるなら、連隊長自ら参加されてはどうです?無論、私も着いていきますが”
”…フン、俺が行ったら…お前達が困る事になるぞ“
“何故です?”
”戻る保証が出来ないからな…フフ、冗談だ“
”…中々笑えない冗談ですな“
ヘルマン・フォン・リューネブルク。俺は奴に命を預けられるだろうか。
「…聞いていますか?シェーンコップ少佐」
「…ああ、聞いている。明朝〇八二〇時の便でアイゼンヘルツに向かうのだろう?」
「そうです。高速旅客船を予約しましたから、二十三日の昼にはアイゼンヘルツに着く筈です。宇宙港でバーゼル夫人と合流したらフェザーンにとんぼ返りですよ、いいですね?」
「了解した、ウィンチェスター大尉」
俺が返事をすると、ウィンチェスターが写真を差し出した。…ほう、中々の美人だな。だが俺のタイプではないな。
「合言葉があった筈だが」
「ええ。”やっと会えた、姉さん“です」
「夫人側は何と答えるんだ?」
「”アイゼンヘルツは遠かったでしょう?“です」
「…当たり障りのない合言葉だな」
「当たり障りのないのが一番ですよ、シェーンコップ少佐。間違っても口説いてはダメですからね」
「…マイクから何を聞いているかは知らんが、俺は誰でもいい訳じゃあない。マイクとは違う」
「フフ、そういう事にしておきましょう。当然と言えば当然ですが、指揮はシェーンコップ少佐に一任します。私はフェザーンに残らねばなりませんので」
「それは判るが…いいのか?」
「何がです?」
「…帝国が懐かしくなって、本当に逆亡命するかもしれんぞ?」
「大丈夫です。あなたは過去の他の方やリューネブルク大佐とは違う。それに私はマイクを信頼していますから、彼の推薦したあなた方の事も信用しています」
…リューネブルクとは違う?どういう意味だ?
5月20日19:40 フェザーン宇宙港 「ホテル・マグダフ」 ヤマト・ウィンチェスター
任務の説明が終わった。任務自体は簡単だ。アイゼンヘルツまで出向いて、夫人と合流して、フェザーンに戻る。計画の最初の段階ではオーディンまで出向く、となっていたけど、俺が反対した。任務終了が何時になるか見通しが立たないし、長期間の潜入は帝国にバレる危険性も高くなる。夫人だって、こちらに来るのに単身で来る事もないだろうし用心もしてる筈だ、アイゼンヘルツまで迎えに行けば大丈夫だろう。そもそもがだ、一つ隣なだけとはいえアイゼンヘルツに行くのだって危険なんだ、それに俺自身がフェザーンから離れられないのにマイク達だけ行かせる、というのも本当は納得がいかないんだよ。
こんなどうでもいい任務に付き合ってもらう以上、彼等は無事に同盟に帰してあげたい。当の本人達は息抜きくらいにしか考えてないけれども。
しかし、つい口が滑ってしまった、
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