第四十一話 少年が選ぶ道
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うことも、笑いあうことも、意見の違いでぶつかることすら出来ない。
「…そうだな」
「きゃはははははっ!!ジルウェ〜、このジュース美味し〜よ〜♪」
「ジュース?………って!?これ果実酒だぞ!?誰だエールに酒を飲ませた奴は!?」
ヴァンとプレリーは互いに微笑み合い、ジュースと間違えて果実酒を飲んで酔っ払ってるエールとそれに絡まれてるジルウェの姿にプレリーは改めて口を開いた。
「あの時に二人をあなたが助けてくれなかったら…きっとあんなに幸せそうな二人は見れなかったと思うわ」
「そっか……エールって酒に弱かったんだな…」
「絡み上戸ね…」
「プレリー、カメラあるか?記念に残しておこう」
「賛成」
二人はカメラにジルウェに絡んでいるエールを映した。
勿論映像にも残しているので、酒を飲めるようになったら笑い話のために隠しておこう。
黒歴史の一つがまたここに誕生した。
「プレリー、しばらく休んだら俺は旅に出ようと思うんだ」
「え?」
予想していなかった言葉にプレリーの目が見開かれた。
「セルパンとの戦いでプロメテとパンドラが出てこなかったのが気になる。それにあいつらのことだからこのままで終わるとは思えない。」
「なら、私達と一緒に…」
「一人の方が動きやすい。それにプロメテ達の言葉を信じるなら俺はかなり警戒されているようだからな…一人で大暴れしてれば向こうから動くだろ。イレギュラーが多く出現している国に行けばいずれ…ガーディアンベースだと他のことにも気を配らないといけなくなるからな…だから……」
決意を固めたヴァンの表情を見たプレリーは少し寂しそうに微笑みながら頷いた。
「分かったわ……でも…無茶だけはしないでね?」
「ああ、俺の帰る場所はお前のいるガーディアンベースだからな。定期的に連絡は入れる」
それだけ言うと二人の間に会話は無くなり、数日後の夜。
エールとかに知られると止められそうなので寝静まった夜に出発することにした。
見送る相手はプレリーだけだ。
「気をつけてねヴァン」
「ああ、プレリーも気を付けろよ…エールがいるから基本的には大丈夫なんだろうけどさ」
「……ええ」
「大丈夫だ。何があっても俺はプレリーの所に帰る。だから、ガーディアンベースで…俺の帰りを待っててくれ」
「ええ…行ってらっしゃい…ヴァン」
「行ってくる」
ダッシュでこの場を去っていくヴァン。
プレリーはヴァンの背中を、今は自分だけが見られる大切な人の背中を誇らしい気持ちで見つめていた。
モデルOの機動力もあってヴァンの姿は瞬く間に見えなくなるが、プレリーは動かずにずっとヴァンが去っていった方角を見つめて
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