第8章:拓かれる可能性
第246話「想定を上回れ」
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はかつて神界を混沌に陥らせた神。相性が良くとも、私ではこれが限界という事ですか……)」
シュライン曰く、歴代最強の天巫女。それが祈梨の正体だ。
祈りの力に変えるその“性質”は、闇を祓うのに非常に適している。
全盛期のこの世全ての悪すら祓った力は伊達ではない。
故に、“闇”を扱うイリスとは相性はいいのだ。
だが、その上でギリギリ互角に持ち込め……今、追い詰められる程だった。
「……ですが、タダではやられませんよ……!」
正面からの攻防では勝ち目はない。
ならば、搦め手を使うまでと祈梨は判断する。
相殺に割いていたジュエルシード……否、プリエール・グレーヌを傍に寄せる。
そのまま、最低限の防御をしつつ、弾幕を潜り抜けるような閃光を放つ。
「ッ……!なるほど、動きを変えましたか」
弾幕を避け、イリスへと迫る閃光。
自動的に展開する障壁が破られ、イリスは咄嗟に“闇”で相殺する。
その威力に、油断すれば手痛い反撃を喰らうと悟る。
「ですが、初撃が当てられなかったのは―――」
「ふッッ!!」
“失敗ですよ”と続けようとするイリスの背後に、優奈が転移する。
理力による剣が、一息の元振るわれる。
「くっ……!」
「(浅すぎる……!)」
同じく“闇”で防ぐイリスだが、翳した掌に一筋、僅かな切り傷が出来る。
優奈にとって、その傷は浅すぎたが、それでも攻撃が入った。
「ッ!」
すぐさまイリスの反撃が飛んでくる。
優奈はそれを飛び退いて躱し、同時に創造魔法の剣を放つ。
……が、さすがにその攻撃は届かず、途中で打ち砕かれた。
「加勢するわよ」
「……助かります」
祈梨の隣に転移し、共闘の旨を伝える優奈。
祈梨は、一瞬優奈を信用していいのか考えたが、すぐにその考えを振り払う。
騙し討ちをするのなら、先程の時点で攻撃してくると考えたからだ。
「勝算はありますか?」
「ないわ。でも、それでも勝てる可能性はゼロじゃない」
「……なるほど。……頼もしい返答ですね」
祈梨にとって、イリスとの戦いは明かりなしで暗闇を進むようなモノだった。
かつてアンラ・マンユと戦った時よりも、圧倒的に勝てる気がしなかった。
そこへ、勝算もなしに勝つつもりな優奈が来た。
勝ち目の有無など関係ないと言外に言われ、祈梨は少し気持ちが晴れた。
「後衛を頼むわ。私が前衛を務めるから」
「頼みます」
「随時ポジションが変わるけど、いいわね?」
「当然です」
短く問答を済ませ、イリスからの攻撃を転移で躱す。
「……彼でなくとも、貴女が加わるというのなら……容赦しませ
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