第8章:拓かれる可能性
第246話「想定を上回れ」
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……心しなさい」
「……うん……!」
責任重大。そのプレッシャーが司達にのしかかる。
「……でも、あの導王流の攻略が難しいわ」
「だろうね。極致となれば、正面からはまず勝てないわ」
懸念事項は、やはり極致に至った導王流だ。
それがある限り、あらゆる攻撃を受け流され、同時に反撃されてしまう。
「常にカウンターに備えた立ち回りが必要ね。そのための身体強化は司が担当。葵と奏が近接戦を担当するようにしなさい」
「私は矢と霊術で援護、緋雪は……逐次私か葵達の支援って訳ね」
「基本の立ち回りはね。一手一手神経を研ぎ澄ませれば、戦う事は可能よ。……それ以降は、貴女達の“可能性”次第ね」
決して“勝てる”とは断言しない。
それほどまでに、優奈も優輝を危険視しているのだ。
「……やるしかないわね」
「シャマルさん、緋雪ちゃんの事は任せます。……もう行った方がいいんだよね?」
「ええ。まだしばらくミエラとルフィナも耐えられるだろうけど、他がまずいわ。祈梨もかなりギリギリみたいだしね」
“天使”二人は倒せないだけで耐えるだけならまだ問題はない。
しかし、他はかなりギリギリだった。
祈梨は徐々に押され始め、エルナとソレラも防戦一方になっていた。
「……まだ、綱渡りは終わってない、か」
「優奈?貴女まさか、ここまで計算して……」
戦況をもう一度確認して、優奈は無意識に呟いていた。
椿はその呟きを拾い、思わず尋ねていた。
「ううん。飽くまで“可能性”に賭けただけよ。優輝も私も、貴女達を信じた。その結果が今に繋がっているだけよ」
「……そう」
ここまで来れたのは偶然と奇跡の積み重ねだ。
優輝も優奈も、そうなる“可能性”を信じていただけに過ぎない。
「……じゃあ、行くよ」
司が祈りの力を開放し、全員の身体能力を一気に向上させる。
前提の準備は終わった。後は戦いに臨むだけだ。
「ミエラとルフィナには私から伝えておくわ。……私も、信じてるわよ」
「っ……」
そう言って一足先に戦いに赴く優奈。
その時の言葉に、椿達はどこか優輝の面影を感じていた。
「……さぁ!私達も行くわよ!」
椿の掛け声と共に、四人は祈梨の障壁の外へと踏み出した。
「(このままでは……!)」
一方、祈梨はイリスに押されていた。
司から受け継いだ世界そのものの“領域”が弱り、イリスが優勢になっているのだ。
「ッ!!」
今まで相殺していた攻撃が、ついに抜けてくる。
半身をずらす事で避けはしたが、その瞬間に拮抗が崩れたと祈梨は悟った。
「(……さすが
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