第五十八話 入学前のその三十四
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「怒ろうかって思ったし」
「千里もかなり怒ったのね」
「そうなの、本当にね」
「気持ちはわかるけれど立腹はよくないわよ」
このことは注意されました。
「いつも言ってるでしょ」
「ええ、それはね」
「だからね」
「そうした時こそよね」
「気持ちを落ち着けて」
そうしてというのです。
「あの子にも言うのよ」
「わかってるけれど」
それでもでした、あの時は。
「立腹したわ、先輩のことを言われたら」
「悪くだとっていうのね」
「どうしてもね」
「だからそれがね」
どうしてもというのです。
「よくないのよ」
「そこをあえてなのね」
「立腹せずにっていうのね」
「そう、落ち着いてね」
「阿波野君に注意すればいいのね」
「千里は確かにその人を尊敬していても」
お母さんは私に言いました。
「他の人はそうじゃないし」
「阿波野君もなのね」
「悪いお話ばかり聞いたら」
そうならというのです。
「悪く思うことも当然だし」
「それはね」
「千里もわかるでしょ」
「その人の悪いことばかり聞いたら」
それが嘘でもです。
「やっぱりね」
「悪く思うでしょ」
「ええ、どうしてもね」
「だから彼もね」
「阿波野君もなの」
「そう思ったのよ、それできついことを言ったのよ」
先輩ご自身に対してというのです。
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