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夢幻水滸伝
第百三十六話 二度目の勝利その六

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「自分に」
「出来るって言えば驚くか」
「そこでそういう奴や」
 芥川はというのだ。
「そやからな」
「驚かんか」
「そや、ほなこの切り札でな」
「僕を倒すな」
「そうさせてもらうで、遠距離戦と接近戦二つで攻める自分に勝てるか」
 二人のとだ、施は白澤の背から言った。
「果たして」
「出来るで、もっともギリギリやけどな」
「圧勝はないっていうか」
「それはないわ」
 こう施に返した、あっさりと。
「既にお互い結構やろ」
「ああ、激しい勝負してるさかいな」
「それで圧勝とかないわ、自分はほんまに強い」
 施、彼はというのだ。
「そやからな」
「ギリギリやな」
「勝ってもそうなる」
 このことは間違いないというのだ。
「ほんまにな」
「それでそう言うんやな」
「そういうことや」
「そうか、ほなな」
「ギリギリで勝つんやな」
「こっちもそうせなあかんからな」
 相手もそうであることはわかっていながrだった。
 芥川は身体が二つになった施と対した、ここで狐が芥川に話した。
「見破られても見事な切り札やったが」
「さっきのことはやな」
「ああ、しかしな」
「今僕は絶体絶命やな」
「相手は身体二つになってや」
 そしてとだ、狐は己の主に話した。
「尚且つや」
「身体の一つは弓持ってな」
「落日弓やったな」
「半分そうした名前になってるな」
「それでもう一つは如意棒や」
「どっちも威力は絶大や」
「しかも腕もある」
 ただ強い武器を持っているだけでなくというのだ。
「その身体二つと戦う」
「そうなるとな」
「負けるぞ」 
 狐は芥川にこのことを指摘した。
「ほんまに」
「僕もそう確信してる」
「そやな、ほなどうする」
「こうした場合一つのことが言われてる」
 芥川は笑って話した。
「三十六計ってな」
「逃げるんか」
「それしかないってな」
「ほな逃げるんか」
「ところがここで逃げたらや」
「一騎打ちを放棄したってなるな」
「それはあかん、ここで施を倒さんと」
 相手である彼をというのだ。
「それこそや」
「軍勢の采配に入られてやな」
「折角勝敗がほぼ決するまでになったのにや」
 それがというのだ。
「またひっくり返されかねん」
「六将星は伊達やないからな」
「そやからな」
「ここでやな」
「こいつは倒す」
「よし、覚悟受け取ったで」
 狐は芥川の言葉にそれを見た、そうしてだった。
 己の主に施そして白澤に聞こえない様にテレパシーで話した。
「策はあるんやな」
「ああ、安心せえ」
 芥川もテレパシーの声で答えた。
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