疾走編
第三十話 前途多難
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宇宙暦791年4月28日18:00 バーラト星系、ハイネセン、ハイネセンポリス、シルバーブリッジ24番街
キャゼルヌ邸 ヤマト・ウィンチェスター
ここはいつ来てもいいなあ。わざわざ俺の為に皆が集まってくれた。主人のキャゼルヌさん、ヤンさん、アッテンボロー先輩、フォーク、スールズカリッター、そしてエリカ。
「ヤン先輩に聞いたよ。いやあ、うかうかしてられないな、こいつは。おめでとう」
「中々ご活躍の様ですね、先輩。まあ分かっていた事ですが」
「おめでとうございます、先輩」
「お、おっ、おめでとうございます!ウィンチェ……その、ヤマト、さん…」
この面子にエリカを交ぜるなんて、キャゼルヌ大佐もひどい事するもんだ。当然ながら冷やかしがひどい。
ウィンチェスターなんて他人行儀すぎる、ヤマトって呼べ!…フォーク、お前、相変わらず酒飲むとカラむなあ…。
そういえば、初めてエリカにファーストネームで呼ばれたな。こそばゆい…。
「遅れてすみません、ヤマト、元気か!」
「マイク!お前も来てくれたのか!」
「当たり前だろう!連絡くれねえなんて酷いじゃねえか」
「内密に、って言われていたんだ、エリカにも言ってなかったんだぞ」
「じゃあ仕方ないな。六月には少佐殿か!やっぱりお前は大したやつだぜ」
「来年には少佐だったんだ、そんなに変わらんよ」
「そりゃ定期昇進だろう、全然違うぞ。とにかく、おめでとう!」
「『エル・ファシルの奇跡』も『アッシュビーの再来』も、このアンドリュー・フォークには勝てぬようですな。将来、お二人には私の両翼となってもらいましょう…ア痛っ!」
「お前だって俺に勝てねーだろ!」
「ダ、ダグラス先輩、本気じゃなかっただけですよ…」
「フォーク、前に言っただろ、戦場じゃ一度しかねえって」
「き、肝に銘じてますよ」
「…どうして私はこうも弱いのか…昔から三次元チェスだけは上達しないんだ」
「三次元チェス以外で頑張ればいいんですよ、ヤン中佐」
「そうは言うがね、最近覚えたばかりのキンスキー嬢にすら勝てないんだぞ、私は。正直、心が折れそうだよ」
「軍事的才能が突出し過ぎて他がダメなだけですよ。保証しますよ」
「それじゃ只のダメ人間じゃないか。軍事的才能なんて一番必要無いんだ。アッテンボロー、後輩の教育はどうなっているんだ?」
「どうなっているんだと言われましても…ヤン先輩の場合、ウィンチェスターの言う事が正しいですからね」
「…全くいい事のない人生だった、入りたくない軍隊に入り、後輩にはバカにされ、三次元チェスじゃ初心者にすら勝てない、そして彼女がいる訳でもない。帰って酒飲んで寝よか」
「三次元チェスに負けたくらいで気分出さないでくださいよ」
エリカとキャゼルヌ夫人は俺達の掛け合い
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