疾走編
第三十話 前途多難
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す」
「おい、キンスキー嬢も今日はここに泊まるんだぞ?聞いてなかったのか?」
「そうなの?エリカ」
「はい!キャゼルヌ夫人がせっかくだからって…」
「そうよ、泊まってくのよねー、エリカさん」
「おい、オルタンス、なんだその格好は。一応こいつらは客なんだぞ。バスローブのまま出てくるやつがあるか」
「いいじゃない、身内みたいなもんですよ、もう。エリカさん、今日は少しだけお酒付き合って下さる?」
「はい!喜んで!」
「オルタンス…お前、飲むのか?」
「私だってたまには飲みたいわ。いつもあなた達が飲んじゃうから、私まで酔っぱらう訳にはいかないでしょ?今日くらい女同士で、ねえ、エリカさん」
「はい、お付き合いします!」
「では、先輩、私も大長征に顔出してきます。じゃあな、ウィンチェスター。少佐への昇進、おめでとう」
「ありがとうございます。今日は来てくれて嬉しかったです」
「私達は友達だろう?当然だよ。キンスキー兵曹も、またね」
「はい!またよろしくです!」
ふう。有難い事だ。俺なんかの為に…。
しかし、どえらい任務だな、こりゃ。シトレ中将も危ない橋渡るなあ。昇進後を見据えて、って事か?
原作じゃこの辺はサラッと流されてるからな。大将昇進、宇宙艦隊司令長官代理…俺やオットーが引き金って事か?時系列的に考えるとそうなるよな…俺達という「異分子」が引き金か…。いや、元々居たのかもしれないな。「俺達」という役回りの存在が。銀英伝という世界の中で、描かれなかった「俺達」。
そりゃそうだよな、モブキャラ細かく描いてたらキリないもんな。このまま行くと「俺達」は主要キャラクターって事になる訳だけど、本編開始後には出てこない…。やっぱ何処かで死ぬのか?嫌だ、それは困る。
醒めない夢なら結末まで見たいもんだ。
「…大尉?眠れないんですか?」
「いや、ちょっと考え事をね。エリカ、さっきみたいにヤマトって呼んでいいんだよ?」
「でも…」
「でも…恥ずかしいかい?」
「いや、そうじゃなくて…。今日お呼ばれして、とても嬉しかったけど、改めて驚いたんです」
「何に?」
「目の前にいるのは『エル・ファシルの英雄』のヤン中佐。それだけでも凄いのに、そんな方と普通に話す大尉がいて、私はその大尉の彼女。そして大尉は彼女にすらハイネセンに戻って来た事を秘密にしなきゃいけなくて、極秘の任務を受けるような凄い人…。話を聞いてくうちにフェザーン旅行だ、って受かれてた自分が恥ずかしくなっちゃって」
「…フェザーン旅行だって正式な任務さ。たまたま任務が重なっただけだよ」
「…そうなんですか?」
「軍の福利厚生の為だ、って言われただろう?」
「はい、旅行が終わったらレポートを提出してくれって…」
「だろう?立派な任務さ。
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