第四百話 だから後ろにいるし
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第四百話 だから後ろにいるし
「・・・・・・なあリト」
「どうしたの?また」
一緒に街を歩いていてもポーランドは冷や汗をかきつつリトアニアに向かっていました。
「御前お払いしてもらった方がよかね?最近洒落にならないしーーー」
「洒落にならないって何かあるの?俺に」
「後ろ。見てみ」
「後ろ?」
ポーランドに言われて振り返ってみます。けれど彼の目には何も見えません。ポーランドにはそれがさっとリトアニアの死角に入り込んだのが見えます。
「何か見えん?俺見えるし」
「何もいないじゃない。何言ってるんだよ」
「いや、マジ見えるって」
「だから俺は何ともないよ。元気だしね」
明るい笑顔でポーランドに応えます。
「ところでさ、ポーランド」
「ああ」
「今度の休み何処行く?やっぱり遊園地?」
「・・・・・・二人で行くのがよかね?」
やっぱりここでも冷や汗と一緒にリトアニアの後ろを見ています。
「三人だと怖いしーーーー」
「だから二人じゃない。俺とポーランドでさ」
「御前がそう思うんならいいけど。俺は忠告したし」
「忠告って大袈裟だよ。本当におかしいよ」
彼は気付いていませんでした。自分の後ろでベラルーシがとっても怖い顔をして青い炎を全身から沸き起こらせていることに。ポーランドはそれを見て冷や汗をかいているのです。案外自分の後ろにあるものは見えないものなのです。
第四百話 完
2008・10・17
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