第四十話 誓いを果たす時
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セルパン・カンパニーから脱出したヴァンとエールは迎えの通信をジルウェに任せて瓦礫に座って休んでいた。
「…終わったね」
「セルパンのことは…だけどな」
まだモデルVを作った男がいる。
その男が生きている限り、この下らないゲームに終わりは来ない。
「アタシ達にはモデルVを作った男の血が流れてる…アタシの…アタシ達の力は…」
「セルパンのように世界を支配する力だって言いたいのか?」
それを聞いたエールが慌ててヴァンの方を振り返る。
「何で…」
「分かるのは当たり前だろ、何年の付き合いだと思ってるんだよ…不安になる気持ちは分かるさ、でもお前はセルパンのような力の使い方は絶対にしない。理由はあいつなら絶対にしないようなことがお前には出来たからだよ」
「アタシに?」
「ああ、お前はモデルOに意識を乗っ取られた俺を助けてくれたろ?あれはセルパンには絶対に出来ないし、しないだろうしな…そしてお前は必死にみんなを守ろうと戦ってきた。俺はそんなお前を見てきたから確信を持って言える。お前の力は支配するための物じゃない。お前が守りたいと思う人達を守るための力だ…力なんて使い方なんだよ使い方。それに、定められた運命に従うなんて俺はごめんだ」
ヴァンの力強い言葉にエールの胸中の不安が消えていくのを感じ、エールは微笑んだ。
「ありがと、ヴァン」
「でも、お前が支配する世界もそれはそれで退屈しなさそうで良さそうだけどな…もしお前が世界を支配したらエリアGの中華料理店の肉まん食い放題にしてくれよ」
「………プッ!なあにそれ!?じゃあ、ヴァンが世界を支配したらアタシのお気に入りのケーキ店のショートケーキを食べ放題にしてよね」
「乳製品食いまくったら腹壊すから駄目だ。」
腹を壊すエールを想像したヴァンは駄目出しをし、エールは頬を膨らませた。
「壊さないわよ!」
「昔々、ある所に運び屋の従業員の女の子がいました。女の子は同じ職場の男の子とその悪友のケーキをこっそりと盗み食いし、お腹を壊してケーキを盗み食いしたことが発覚してその職場の先輩にこってりと説教を受けましたとさ」
「ちょっ!?もう馬鹿ーーーっ!!何でそんな昔のことを覚えてるのよぉっ!?」
黒歴史を掘り返されたエールは顔を真っ赤にしながらヴァンの背をポカポカと叩いた。
「そりゃあ、俺がその被害者だからですが何か?」
「う…っ」
ジト目で見られたエールは呻き声を上げて口を閉ざした。
「ただ、もし世界を好きに出来るならこれだけはしたいな」
「これだけ?……ああ…」
「「ジルウェ・エクスプレスの経済面をもっと良くしたい」」
二人は先輩である誰かさんのケチのせいで苦労してきたので、出
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