第六話「AGIT?」
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「そうなんだ――で、そろそろ本題に入りたいんだけど翔一さん」
そこで、弾はようやく本題に入った。周囲もその空気に包まれたことで翔一も今までの笑みは消えて真剣なまなざしにあくぁった。
「……どうしたの?」
「翔一さん、貴方の力を貸してほしいんだ!」
「――話してみて?」
三人に微笑みながら、翔一はこれまでのいきさつを弾たちから聞き終えると、両手を組んだ。もちろんうなずきながら納得する方である。
「……そうか、わかったよ! その、朱鳥ちゃんっていう雷羽君のガールフレンドを助けるために協力するね!!」
「が、ガール――」
俺の頭上から真っ白な湯気が沸き上がった。第三者からそんなこと言われるなんて思ってもみなかった。
「あれ? 違うの? 雷羽君とその子はカップルじゃないの??」
首をかしげる翔一を見て滝は、
――こいつ、隼人やアマゾン以上に天然だ……
「でも、ありがとうございます!」
俺はふかぶかと仮面ライダーアギトこと、津上翔一さんにお礼を言った。
「気にしないでよ。お互いライダー同士助け合わないとね!」
「よし! これで役者はそろったな。しかし――」
しかし、滝は本当にコイツが仮面ライダー化という風格がどうも疑わしかった。そのため、
「俺も一緒に戦闘に出てもいいか? なに、俺もちょっとしたライダーのアシスタントを務めてんでな。アギトっての――お前の戦いぶりを見せちゃもらえないか?」
そうアップで迫る滝のニヤニヤに翔一はついつい苦笑いした。
「あはは――どうぞ」
「そんじゃ、よろしくな!」
そういって、ドン! と彼は翔一の背中を叩いて笑い出しながらその片腕を翔一の後首へ絡めて親しく接し始めた。
「――この人……」
そんな滝を見て、弾は彼が翔一に興味を持ったことを感じた。彼はそこら辺にいる堅苦しい大人とは違って純粋で誰とでも仲良くなれる男のようである。
さっきまでは強化人間のライダーだけしか信用していないという偏見が見られる彼であるが、別に人間ライダーをストレートに嫌うような人には見えない。おそらく、強化人間の先人ライダーと共に幾度も世界を救い、今でも行動を共にしているため、人間ライダーとのかかわりはなかったのだろう。
一見単純極まりない男に見えるが、少年のように純粋でまっすぐ、正義感がつよくて自分が抱くライダー象を最も大切にしている人なんだな。きっと、仮面ライダーを名乗る悪党は人間だろうが強化人間だろうとも許せないのだろう。
すると、そんな間に勢いよく扉のベルが鳴り響いた。
二人のスーツを着た男が勢いよく彼らの元へ駆けこんできたのだ。
「滝さん、こんなところにいたんですか!」
一条警部である。そして彼の隣にいるもう一人の男は、
「津上! また君の
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