第六話「AGIT?」
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にでもグローバルにだ!」
そういって、滝はサングラスをかけて羽織っていたジャケットを着なおすと、
「――敷島さんよ、今回はウチの雷羽を助けてくれた恩があるってことで。今回ばかしは礼を言っとくぜ……まぁ、また来るかもしれねぇがな」
それだけを言い残して、滝を含めた三人は敷島博士の自宅を後にした。
「……」
最後に一人残った敷島は、ふとデスクに飾ってある写真立てを手に取った。
写真立てに入れられた写真には、今は亡き息子とその嫁、そして自分のことが大好きでいてくれた小さい孫娘が写っている。
孫は、毎日この研究所に遊びに来ては「おじいちゃん! おじいちゃん!」と大変懐いてくれて、そんな孫は彼にとっての宝であった。
しかし、そんな孫と娘夫婦が目の前で血まみれとなって自宅の荒らされた居間で重なり倒れている記憶が蘇ってしまうと――
――許せというのか、奴らを……!
写真に数滴の涙がこぼれ落ちた。
*
そのころ、雷羽と滝を連れて弾は東京都内のとある喫茶店を目指して歩き進めていた。
「っつうかさ、弾っての」
気になっていた滝は思い切って団に訊ねた。
「あ?」
「今から合うその人間ライダーはどういう奴なんだ?」
「すっごい良い人だって。安心しなよ滝さん」
「それで、その人はどういう人なんだ?」
次に俺が訊ねた。
「ああ、初めて出会ったライダー先輩で、俺に料理を教えてくれた恩師でもある人だ。おかげで今じゃあ我が五反田食堂の味はリッチでマイルドな味付けで大評判!」
「どういう人なんだ?」
俺は訊ねた。
「あってみりゃわかるよ! 本当にいい人なんだ。天然だけど」
弾の紹介を聞いてる間にも目的のレストランにたどり着いた。
「あ、あぎ……なんつうんだこれ?」
看板にはアルファベット標識でレストラン「AGIT?」という看板があった。
「アギトっていうんだよ」
と弾の答えに、滝はそれを聞いてハッと思い出した。
「もしかして――資料にあった仮面ライダーアギトのことか?」
一時、クウガかクウガの変異体なのかと誤認され、間違われることもあったが、ちゃんと別の亜種ライダーという結果におわったものだ。
けっこうオシャレで綺麗なレストランであることから、ここに仮面ライダーの人間がいるなんて印象がどうもわいてこない。
「とりあえず入ってみろよ」
そういって、弾は先頭を切ってレストランに入った。
扉についていた鈴が店内に響いて、三名の若い客が入ってきたことで一人のウェイトレスの女性が声をかけてきた。
「いらっしゃいませ! ご指定のお席は喫煙と禁煙のどちらで――」
「やぁ真魚さん!」
そのウェイトレスの名を弾が呼ぶと、
「あら、弾君! 久しぶり〜」
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