第六話「AGIT?」
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滝はかつてのデータからライダーの情報を思い出した。インターポールは今に至るまでライダーの情報をくまなく捜索し続けている。もちろん、今この場にいる雷羽や弾がライダーだという事も知っている。
「……」
そんな会話を横に、俺はこの敷島博士がこうもライダーの種類に偏見を持っているのがなぜなのかを知り、心が苦しくなった。
ライダーの全員が全員、正義の味方じゃない。もちろんライダーにもショッカーライダーやシャドームーンのような悪の仮面ライダーの存在も否定できないだろう。
しかし、悪い強化人間のライダーが居れば、当然わ悪い人間が仮面ライダーになっていたりもする。
全部の人間ライダーにも悪いやつばかりじゃなく正義の味方だっている。しかし、中には仮面ライダーが殺人鬼だったり、正義を捨てて金のためならなんだってする悪徳な人間がライダーになって活躍する事実に、ライダーに憧れる彼の心はより痛んだ。 そして、敷島博士はそんな悪い人間ライダーによって大切な人たちが殺されて、自ら復讐に走るために自身の身体を強化人間に改造するその姿は実に悲しい結果だ。
「敷島の爺さん」
しかし、弾も最初は彼に対する怒りから、哀れな顔になって博士にこう言った。
「……アンタの気持ちは、十分わかるぜ。大切な人を悪党の人間ライダーに殺されたから、それで人間ライダーを恨む気持ちっていうのは否定はしない。偏見持つなって言われても被害者の遺族からすれば凄い難しいもんだよな。でもさ、こんな若造の俺が言うのもなんだけど、人間のライダーにも結構真面な奴が多いんだぜ。なぁ、いっそのこと人間のライダーも味方に加えて悪い奴らをやっつけてみる気はねぇかよ?」
「……」
しかし、敷島は黙ったままだった。今の彼にはまだその決意には至っていないのだろう。当然と言えば当然だ。
「……考えておこう。しかし、わしがマンライダーを憎むことには変わりない。こんなご時世だ、いつしか人や機械も『良心回路』を備え付けなくては制御できん時代にもなりかねんな」
そんな意味深い言葉を残した彼は、俺たちに背を向けた。
「まぁいいや。雷羽、朱鳥を助けるために今から仲間集めに行くぞ。滝さんってのも来るか?」
次に弾は滝にも振り返った。
「俺がか?」
「いつまでも強化人間のライダーびいきするんじゃなくて、人間ライダーにも興味持ちなよ。すげーいい奴らだからさ!」
「……」
まぁ、本郷達は世界中を飛び回って日本へ滅多に駆けつけに来ることは難しいだろう。日本は今どきのマンライダーたちが守っているというのだし、ここはダメもと気分で試しに人間ライダーのツラを見てみる必要もありか?
「そうだなぁ――ああ、面白そうだし行ってみるぜ。いつまでも強化人間をひいきするもんじゃねぇしな。インターポールたるもの、何
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