第六話「AGIT?」
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滝さんと敷島博士の助けもあって、俺は無事にも今日中に復帰することができた。しかし、この後が面倒だった。
俺の危機を感知して弾の奴が駆けつけに来てくれたようで、そこで対面した敷島博士はいろいろと弾や俺たちに質問攻めを続けた。
彼はどうやら強化人間のライダーに興味があるらしいのだが、一方の人間ライダーを拒絶したり嫌っていたりしているのだ。その理由はわからない。滝さんに至っては1号ライダーから続く歴代ライダーとの交流から彼らのことしか知らないために最近のライダーには興味がないらしい……いい人なのに少し残念だ。
「……で、その敷島博士さんよ」
博士のこれまでの経緯を聞くにつれて弾の表情は徐々に曇り始めた。
「ようするに、アンタが俺や雷羽、朱鳥を強化人間なんかにしやがった奴らの同類ってことなんだな?」
「おい少年、この爺さんだってな……」
滝がフォローするも、椅子に座り続けては弾の強張った表情を見る敷島はしぶしぶと口を開けた。
「いいや、君の言うとおりだよ。私達、科学者が未来ある君ら若者を強化人間に替えてしまったのは誰でもない私達だ。奴らに誘拐され、人質を取られていたといえどもそんな言い逃れは通用せん。今更言い逃れはせんし私のことは好きにするといい……」
と、言い掛けた途端。「だが――」とこう付け加えた。
「ワシを殺す前に――このワシの復讐を終わらせてからにしてくれないか?」
「爺さん、どういうことだ?」
復習なんて華やかじゃないなと滝は目を細めた。
「刑事さんがいる場では言いづらいがな――昔、孫とその家族が人間のライダーから命を奪われた過去がある……」
「……浅倉か?」
滝のその問いに敷島は羽織っている白衣を両手で強く握りしめると、その眼鏡越しの目からはわずかに涙が浮かんだ。
「娘の家族が全員奴に殺されてな。当時奴は逮捕後死刑が確定される確率が高かった。しかし、あの悪徳弁護士……北岡の弁護によって奴は死刑を免れて懲役十年の判決で終わった。ワシの家族以外にも多くの命が奪われたというのに――さらに奴らは仮面ライダーの力すらも手にした。奴らがこれ以上人々を苦しめないためにも、ライダーを生み出した本家である私の手で奴らを葬るのだよ」
そういうと、枯れ葉白衣のボタンをはずして翻すと、そこにはアーマーで覆われたボディーと腰部にはライダーベルトが装着されていた。
「アンタ……まさか体を?」
滝は目を丸くして、絶句しかけた。
「うむ、奴らを葬り去るための力だ。かのライダー『ディケイド』と同スペックの性能を秘めたこのボディーは生身のライダーたちの肉体を粉々に粉砕してやれる力は十分にある!」
「北岡と浅倉――確かにインターポールの情報によれは二人ともミラーライダーっていうことらしいが……」
と、
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