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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第26話 沙の中の銀河:後編
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繰り広げられているという事であった。
 尚、依姫が驚いていたのは単にその規模に対してだけではなかった。
(今まで考えられなかったわ……天照大神の力を『飛び道具』に使うなんて……)
 それが依姫の着眼点であった。
 天照大神は太陽の神である。そして太陽は公転しない惑星なのだ。
 故に天照大神の力は自分から離れた場所に攻撃を繰り出す事が出来ず、その力を使いこなすには相手を自分の力の射程内におびき寄せる必要があるのだ。
 それが今までの依姫の知る常識だったのだが、たった今その概念が壊されたのであった。
(勇美、貴方の力は無限の可能性があるようね……いいわ、この勝負、思う存分戦いなさい。私は最後まで見届けるわ)
 そう心に決めた依姫の気分は晴れやかなものとなっていた。
 依姫がそんな思いを馳せていた最中にも、エネルギーの衝突は続いていた。それにより辺りは光と衝撃に飲まれている。
「はあ……はあ……」
「くぅっ……」
 そして二人共息が上がっていた。無理もないだろう。このような大技を出そうとも、互いに丈夫でない人間という種族なのだから。
 そこで魔理沙は口を開いた。
「勇美……次で決めようか……」
「ええ……私もこれ以上は限界ですからね……」
 勇美も魔理沙の提案に賛同したようだ。
 二人はそう言い合うと、両者とも懇親の力を自分が放つ極太の砲撃へと込めたのだ。
 今一層ぶつかる光と光は更に激しくぶつかり合う。そして、それは起こった。
 衝突し合う狭間から放出されるエネルギーが突然みるみるうちに膨張をし始めたのだ。
「こ、これは……」
 思わず息を飲む魔理沙。
「これはまずいですね……」
 勇美もそれに同意するしかなかった。
 そして、遂にぶつかり合うエネルギーの奔流が、激しい閃光と高熱を振り撒きながら勢いよく爆ぜたのであった。
 ──即ちそれは、爆発も爆発の、大爆発だった。
「「うわあああーー!!」」
 思わず叫ぶ二人は真っ白に盛大に溢れる光にどっぷりと包み込まれていった。

◇ ◇ ◇

 光の爆ぜが収まると、そこは変哲のない、いつもの紅魔館の風景であった。
 そして、激戦を繰り広げた二人は……。
「ううっ……」
「うん……」
 唸る二人は両者とも地面に横たわっていたのだ。
 そんな中言葉を発したのは勇美の方であった。
「魔理沙さん……まだ戦えます?」
 そう勇美に聞かれて、魔理沙は横たわったまま答える。
「いんや、無理、もう煙も出ないぜ……と言うか私自身の体が限界だ」
 そう言った後、こう続けた。
「そういう勇美はどうなんだぜ?」
「あ〜、私ももう無理〜」
 と、半ばやけっぱち気味に答える勇美。はしたなく乱れた短い和服の裾が彼女の心境を代弁しているかのようであった。
「と、言う
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