第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第26話 沙の中の銀河:後編
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
んから」
そう勇美は誓うのだった。先程依姫のように戦おうとしてしくじった事を自らの教訓にしたばっかりなのであった。
「それでは、貴方は一体どうするつもりなのですか?」
当面の不安は解消されたが、新たな疑問が依姫には浮かぶ。
「まあ見ていて下さい。これはちょっと『賭け』になりますけど」
そう勇美は依姫に微笑んで見せると、再び自分に迫り来る脅威に目を向けたのだ。
案の定、光と熱の膨大な彷徨は尚も勇美を消し飛ばさんとばかりに襲い掛かっていた。
「もう、やるしかないですよね」
勇美は呟くと、いよいよ未だ見せなかった奥の手の名前を宣言する。
「【陽鏡「ラーズミラー」】!!」
意気揚々と勇美によってスペル宣言がなされた。
すると、みるみるうちにその鏡に光の粒が集まっていったのだ。
「……!?」
その様子を見ていた魔理沙は、何か少し衝撃のようなものが脳裏を走るような気持ちとなった。
その最中にも光の粒は鏡面に次々と集約していった。
それがひとしきり続いた後には、鏡面が黄金のように目映く輝きを放っていたのだ。
「こいつは不味いぜ……」
霊夢程のものではないにしろ、魔理沙の勘がこの状況に警鐘を鳴らしていた。
「勘がいいですね♪」
そんな魔理沙に対して勇美はニヤリと口角を上げると、魔理沙に向けて指を指して言う。
「発射!!」
その号令と共に、遂に勇美の切り札が発動されたのだ。
鏡面が一際輝くと、そこから極太のレーザーが照射される。
「!! やっぱり来たか!!」
魔理沙は驚愕と共にそう言った。
だが彼女に焦燥の念は見られなかった。寧ろ……。
「面白くなってきたじゃねえか!! こうなったら真っ向からぶつかってやるぜ!!」
「私とて、そのつもりですよ♪」
互いに高揚とした態度をぶつけ合う勇美と魔理沙。
そう、勇美は元より魔理沙の砲撃に正面からぶつかる算段だったのだ。よもや真っ当な作戦と呼べるものではないだろう。
だが、勇美に迷いはなかった。魔理沙には小細工など通用はしないだろうから、こうして馬鹿正直に迎え撃つしか彼女を突破出来る可能性は残っていないのだ。
「いくぜぇぇぇーーーっ!!」
「当たって砕けるまでですよーーっ!!」
勇美と魔理沙は互いに熱く叫びあった。
そして最大出力の『火花』と『太陽光』が激しく衝突する。まるで流れの違う濁流が接触したかのような衝撃が巻き起こった。
「ぐぅぅっ……」
「くうっ……」
エネルギーを放出する二人は強烈に押し合う感触に思わず呻き声を漏らす。
「あの魔理沙とやり合うなんて……あの子やるわね」
「え、ええ……」
驚きながらも側で語りかけてきたパチュリーに、依姫はうわの空で答えていた。
それだけ依姫とて心を奪われるような光景が
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ