第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第26話 沙の中の銀河:後編
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「【恋心「ファイナルスパーク」】!!」
その宣言と共にミニ八卦炉にまたエネルギーが集束し始めた。
「!!」
だが、今しがた勇美が息を飲んだ事が示す通り、その規模は先程のグランドバスタースパークの時の比ではなかったのだ。
集まる光と熱は大粒のものであり、それが寄り添ったものは凄まじいエネルギーの奔流を生み出し、大気は揺さぶられて震える程であった。
(魔理沙さん、勝負に出ましたね……)
勇美はそう心の中で呟きながら、当然今の現状に圧倒されていた。
──こんなものを相手にしなくてはいけないのか。勇美は頭の中で愚痴をこぼした。
だが、当然避けては通れない道なのである。
そう、それは文字通りの意味もあった。これ程の出力があれば、もはや目で見てかわす等という芸当は出来ないだろう。
故に勇美も勝負に出る事にしたのだ。
(『アレ』をやるしかないか……アレは実戦では使ってないし、依姫さんにも見せていないんだけど、仕方ない!)
と、勇美は何やらそう腹をくくったようであった。
勇美がそのような思考を巡らせている間に、魔理沙の砲台は十分な力を蓄えて砲撃を開始しようとしている所であった。
「発射!!」
そして莫大なレーザーが惜しげもなく放出されたのだ。
その様子を見ていた勇美に「魔理沙さんってどこぞの宇宙で運用する戦艦みたいだなぁ」という突っ込みが浮かんだのだが、彼女はそれをすぐに振り払った──今はそんな呑気な事を考えている場合ではないのだ。
「それじゃあ、やりますか!!」
勇美は意を決して迎え撃つ事にした。
そして依姫を通じて力を貸してくれる神達に呼び掛ける。
「『石凝姥命』に『天照大神』よ、私に力を!」
それを聞いていた依姫は「何ですって?」と驚いた。何故なら普段自分が神の力を借りる時には類を見ない組み合わせだったからである。
そして勇美の目の前にいつも通りに金属の部品が集まり機械が生成されていく。──だが完成したそれはいつもとは様相が違うものであった。
「鏡……?」
呟く依姫の視線の先には、巨大な機械仕掛けの鏡が備わっていた。そこで依姫ははっとなる。
「まさか、やたの鏡の時のようにあの技を弾き返す気ですか!?」
それに続けて依姫は貴方にそれは無茶だと告げた。
──あの力は永い間修行を積んだ自分だから出来たのだと。
しかし、勇美の場合は力不足だろう。
確かに彼女は一生懸命に修行に向き合っている。しかし、神の力を借りる依姫から神降ろしの力を更に借りて、半ば強引にしがみついてきている勇美にはその芸当をこなすにはいささか荷が重いのだ。
依姫がそんな思考を巡らせていると、そこに勇美の声が掛かった。
「安心して下さい依姫さん。私はこれからあなたの真似を真似しようとしてるのではありませ
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