第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第25話 沙の中の銀河:中編
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て、その勇美の思いはダンシングシューズへと送り込まれる事となる。
その後、勇美に装着されている機械仕掛けの靴は突如まばゆい光を放った。
「何だい? 光っているだけ……って、あれ?」
この光景と台詞はどこかで聞いたような気がした魔理沙であったが、彼女はそれを気にしないようにした。目的は目の前の勇美に勝つ事であるのだから。
「まあいいや、取り敢えず攻撃続行だぜ!」
その魔理沙の言葉を合図にしたかのように、次々にビームが地面から噴出を始めた。
「天宇受売命、そしてこのダンシングシューズの力を余り甘く見ないで下さいよ!」
そう言う勇美のすぐ足元からビームが迸った。
だが、勇美はステップを決めて、華麗にそれをかわしたのだった。
「どんなもんですか!?」
出だし好調となった勇美は、その流れに乗って得意気に決めて見せた。
「やるな、だがまぐれはそう何度も起こらないぜ?」
対する魔理沙も臆する事なく光線の檻の発動を続ける。
「まぐれかどうか、試してみて下さいよ、っと」
勇美はそう言いながら第二波のビームも宙を舞う木の葉の如くヒラリとかわして見せた。
続いて第三波、四波と次々と魔理沙の敷いた罠を回避していったのだ。
「くぅ……やるな」
これにはさすがの魔理沙も歯噛みするしかなかった。
「ちょろいちょろい♪」
興に乗って調子付く勇美。だが、悪ノリした人というのは高確率でその報いを受けるものであり……。
「楽勝、楽しょ……って、うわっ!」
実に軽快なステップを踏んでいた勇美であったが、ここで足を滑らせてしまったのだ。
幾ら天宇受売命の力を借りているとはいえ、その力を宿した機械の靴を装備していたのは、生身の人間の少女である勇美だったのだ。
つまり、勇美は自分の肉体の限界を認識し損ねたという事であった。
そこに運悪く──いや、入念に仕込んだ包囲網の中であったから最早運の問題ではなかった──ビームが吹き出し、勇美に迫ったのだった。
「きゃあっ!」
破裂音と共に勇美はビームに弾かれ軽くその身を宙に投げ飛ばされてしまった。
そして、悪い事に今度はビームのダメージと焦りにより靴の力を使う事が出来ずに、したたかに地面に身体をぶつけてしまったのだった。
不幸中の幸いとでも言うべきか、そこでビームの噴出はそこで止んだようだ。
「うう……痛い……」
何とか上体を起こし、勇美は少し涙目で愚痴る。
「まあ、そうだろうな」
それに対して魔理沙も同感の意を示す。
「それで、私はこの後馬に蹴られて地獄に落ちる訳ですか……?」
「いや、そこまでしなくていい」
幾らスペルカードに『恋路』の文字を入れたからって、そこまでされる必要はなかった。
「まあ、降参するなら今の内だぜ?」
「降参……?」
そ
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