第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第25話 沙の中の銀河:中編
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詞が示すように、『当たらなければどうという事はない』という訳である。
だが、ここからの魔理沙の行動は勇美が予想したのとは違っていたのだ。
「何やっているんですか!?」
「言ったろ? とっておきを見せるって?」
驚く勇美を尻目に、魔理沙はあっけらかんと答える。
何を思ったのか、魔理沙はミニ八卦炉を正面の勇美ではなく、地面に照準を向けていたのだった。
「一体どういう……」
「【恋路「グランドバスタースパーク」】!!」
勇美が言い終わる前に魔理沙は地面目掛けて極太のレーザーを八卦炉から放出したのだ。
常軌を逸した光と熱により地面は貫かれ、みるみるうちに大穴が穿たれていった。
そしてエネルギーの奔流は収まった。
勇美は理解出来ない疑問を魔理沙にぶつける。
「一体どういうつもりですか? どこを狙っているんですか?」
「まあ見てなって♪」
だが魔理沙は得意気に言うだけで何が狙いか教えてくれないが、それは当然だろう。
そんな魔理沙の態度に歯噛みしながらも勇美は身構えていたが、ふと異変に気付いたのだ。
──それは何者かが唸るような物音であったのだ。それも巨大な存在であると思わせる程の。
「喰らえっ!」
そして魔理沙はパチンと指を鳴らした。それに合わせて唸るような音はじわじわと強さを増していった。
続いてそれは起こった。唸りが最高潮に達すると、勇美の足元すぐ側の地面が隆起し、まるで噴火の如くレーザーが噴出したのだった。
「!!」
当然勇美は驚くが、それと同時に安堵もする。
「あー、びっくりしました。でも私には当たらなかったみたいですね」
勇美な冷や汗を少しかきつつも強気の態度をして見せた。
だが、その強気は空元気になる事となる。
「甘いぜ」
ニヤリと笑みを浮かべる魔理沙に、勇美は背筋に悪寒が走った。
それとほぼ同時であった。先程と同じようにビームの噴火が再び起こったのだ。しかも今回は勇美のすぐ側で。
「ひっ!」
思わず息を飲む勇美。当然だろう。今さっき見当違いの場所に撃ち出された攻撃で終わりだと思っていたのだから。
「驚くのはまだ早いぜ!」
間一髪で避けた勇美に追い打ちを掛けるように魔理沙はしたり顔で言う。
それを合図にしたかのように勇美の近くで三度ビームが噴出をした。
「厄介ですね、この攻撃……」
避けながらも勇美は愚痴る。
「だろ? 何たって私が最近考えた取っておきなんだからな!」
そんな勇美に魔理沙はますます得意気になる。
「さあ、どこまで避けられるかな?」
魔理沙はニヤリと笑みを浮かべた。
「余り嘗めないで下さいね……」
勇美はそう返すと、再び今降ろしている天宇受売命に呼び掛けた。
(天宇受売命、もう少し私にお付き添い下さい……)
そし
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